海外大学進学への近道、「英ボーディングスクール」入るために必要なこと 文武両道、日本の受験「勉強漬け」とは大違い

(写真:Millfield School提供)
日本とはまったく異なる選考方法
実際の入学試験の内容は、どのようなものなのか。対策はどのように行えばよいのか気になるところだが、あまり対策をしすぎてもよくないという。
「選考方法は入学する学年と学校によって異なりますが、すべての学校でインタビューがあります。基本はフェイストゥーフェイスで、日本にいる場合はオンラインで行うことも可能です。インタビューは30分〜1時間ほどで語学力や、子どもが寮になじめるかどうかコミュニケーション能力を測ったりします。面接に加え、英語の読解とクリエイティブライティング(作文)、数学、ノンバーバル・リーズニング(図形や空間把握など知能テストのようなもの)とバーバル・リーズニング(語彙力などの言語系の発達を図る)が必須の場合が多くなっています。
数学のテストは日本人の子どもにとっては簡単なようですが、文章題は英語ができなければ苦戦するかもしれません。試験に備えて家庭教師を付ける人もいますが、学校は試験慣れをした子どもを嫌うので、あまり準備をしすぎないほうがいいと思います。ただし、試験ではパソコンを使用するので、パソコンの扱いには慣れておいたほうがいいですね」

(写真:Rugby School提供)
試験自体は難しくなく、トリッキーな問題も出題されない。できないと受け入れないというよりは、難しくないので多くの子がいい点を取るため、インタビューのほうにより重きがあるという。落とすための試験ではなく、あくまで学校への適性を見る試験ということだ。
そのインタビューでも「あなたは学校に対して、どういう貢献ができるか」という視点を重視する学校が多いという。勉強以外で自分は何ができるのかを話せるといいが、難しく考える必要はない。
「例えば、楽器が得意ならオーケストラに参加できますとか、アートでもスポーツでも自分が得意なことをアピールすればいいのです。模擬国連もいいですね。日本人はシャイな人が多いですが、実はイギリス人もそうなんです。先生は話しを引き出すのが上手ですから、緊張せずに楽しむつもりで臨んでくださいね」
教育熱心なイギリス人だと、子どもが生まれたらすぐにここぞと思う学校や自身が卒業した母校にまずは登録を行うという。日本からボーディングスクールに入学を検討する場合も、まずはホームページから登録手続きするのが第一ステップだ。登録しないと学校訪問もできない。150ポンドほどの費用がかかるが、毎年更新され、学校の情報も送られてくるようになる。
各校の強みは、ホームページで公開されているテストやコンペティションの結果、進学した大学の学部・学科の人数をみれば、ある程度目安がつく。日本にいてイギリスの学校を詳細に知る、志望校を選ぶのはなかなか難しいが、現地を訪れてみる、ピッパズ・ガーディアンズのような留学エージェントに相談するなどの方法もある。
海外大学を目指す子どもが増えるにつれて、イギリスにとどまらずアメリカやカナダなど現地校を集めたイベントの開催も日本で増えているから、うまく活用していきたい。
(文:柿崎明子、注記のない写真:Cheltenham College提供)
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