日本脱出して「子ども単身で英ボーディングスクール留学」する納得の事情 費用は決して安くない、子の成長考えて検討を

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2022年8月にハロウ・スクール、2023年8月にマルバーン・カレッジ、9月にラグビー・スクールと、日本でイギリスの名門ボーディングスクールの姉妹校が相次いで開校している。一方で日本から渡英し、本場のボーディングスクールに単身で入学する子どもも増えているという。子どもや保護者は、イギリスの教育に何を求めているのだろうか。

ボーディングスクールが注目される理由

高校卒業後、海外大学に進学する子が上位校を中心に増えてきている。英語力を磨きたい、世界で活躍したい、多国籍な環境で学びたいなど理由はさまざまだが、国内でもトップレベルの大学に行ける実力のある子が、あえて海外大学を目指すようになってきている。

こうした中、教育熱心な親から注目を集めているのがボーディングスクールだ。ボーディングスクールとは寮制の学校のこと。親元を離れて、寮で規則正しい生活を送り、仲間と寝食を共にしながら勉強だけでなくスポーツなどの課外活動にも全力で取り組むところが多い。イギリスをはじめアメリカやカナダ、スイス、またアジアなどにもあり、その特徴はそれぞれ異なる。

では今、なぜボーディングスクールが保護者の関心を集めているのか。グローバル化が進み、子どもの進路選択もまたグローバルになっていることも当然ある。だが、中学受験をはじめ子どもの頃から続く競争的な日本の教育環境に対する懸念や疲れ、また国内大学の国際競争力が低下していることから、大学進学の前段階から海外で学んで英語力を身に付け、海外大学を目指したいなどのニーズがあるようだ。

ただ、日本にいながらボーディングスクールの情報を収集するとなると難しいことも多い。インターネットに情報はあふれているものの、内容を精査しなければならないし、学校の雰囲気や特徴、寮生活の実際を知りたいとなると情報源も限られる。また入学に最適な時期や試験の内容、必要な英語力の程度、そのための準備は何をしたらよいのかなど、知りたいことは山ほどある。

そんな中、11月に「ブリティッシュ・ボーディングスクール・フェア・ジャパン2023」が東京・大手町で開催された。イギリス留学に詳しい専門家によるセミナーに加え、本国から来日したボーディングスクールが学校の特徴などを紹介するセミナーや個別相談会が行われた。当日は200組460名が来場したというから、その関心の高さがわかるだろう。

「国際的に通用する資格」を取得できるのが魅力

来日したボーディングスクールの顔ぶれも豪華で、世界的な名門校として知られるラグビー・スクールのほか、イギリスの名門女子校チェルトナム・レディス・カレッジ、男子校の名門アビンドン・スクール、IB(国際バカロレア)スクールとして有名なセブノークス・スクールなど総勢15校が集まった。

世界的な名門校として知られるラグビー・スクール
(写真:Rugby School提供)
写真の続きを見る(参加校15校の伝統的な校舎)

現在、イギリスには私立のボーディングスクールが434校あるが、創立から数百年経つというところも珍しくなく、中には1000年以上の歴史を持つ学校もある。その多くが郊外にあり、自然豊かな広大な敷地の中に校舎や寮はもちろん、スポーツや芸術などに親しめる施設を数多く備えている。伝統的で美しい建物が並ぶさまは、まさに「ハリーポッター」さながらの世界で、写真を見ただけでも魅了されてしまう。

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