海外大学進学への近道、「英ボーディングスクール」入るために必要なこと 文武両道、日本の受験「勉強漬け」とは大違い
とくに保護者の関心が高いのが、海外有名大学への進学率の高さだ。イギリスのボーディングスクールでは、多くの生徒がオックスフォード大学やケンブリッジ大学などのトップ大24校で組織されるラッセル・グループ大学へ進学する。最近では、アメリカの有名大学に行く生徒も増えていて、日本にいながら海外大学を目指すよりも近道と考えるのは当然だろう。
何より、日本の受験ほど勉強漬けという生活を送っているわけではなく、文武両道でスポーツや文化活動などにも親しみながら、この進学結果というのが魅力だ。

(写真:Abington School提供)
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どのくらいの学齢で入学をするのが妥当なのか
だが一方で、英語力の問題がある。授業についていける程度の英語力は、どの年齢で留学しても必要だ。実際、どのくらいの学齢で入学するのが妥当なのか。
イギリスでは9月初旬が学年の始まりで、日本からボーディングスクールに入学するのは小学生にあたるYear7(11歳)、中学生にあたるYear9(13歳)、高校生にあたるYear12(16歳)の学齢が多い。とくにYear9からの入学が多いが、定員に空きがあれば、途中からでも入学できる学校もある。

「お子さんを低い学齢(Year7)で留学させる利点は、入学時の競争率が低いこと。Year9以降だと評判の高いボーディングスクールは、競争が厳しくなります。できればボーディングスクールに進学する前に、2~3年プレップスクール(3歳から13歳対象の小学校)に入学することをお勧めします。プレップスクールは比較的小規模で、いきなり1000人を超えるようなボーディングスクールに進学するよりも、学校生活により早くなじむことができます。全寮制の生活や日本と違うイギリスの教育システムに慣れ、英語力を高めるためにも有効です」
ただ、英語力はあるにこしたことはないが、英語ができないからといって諦める必要はないという。学校によってはそれほど高いレベルを求めず、入学後に補講をしてくれる学校もあるからだ。ボーディングスクールに入る前に、子どものためのランゲージスクールで学ぶという方法もある。
「子どもはどんどん英語を吸収するので、9~10歳にプレップスクールで鍛えられると、その後の進学先の選択が広がります。シニアスクールから入る場合には、学校生活を楽しむためにもある程度の英語力があったほうがいいでしょう」
小さいうちから親元を離れて単身留学となると心配も多いが、競争率、英語力という点では早ければ早いほどいいということだ。現在、イギリスには私立のボーディングスクールが434校ある。わが子に合う学校は、どのように選べばいいのだろうか。
「いろいろな学校があり子どものタイプによって異なるので、一概にここがいいとは言えません。例えば、音楽が好きとか、スポーツが好きとか、あくまでも子どものやりたいこと、性格に合わせて選ぶべき。私たちは、親子にヒアリングを行い、子どもに合いそうな学校をいくつか紹介しています。それらの学校を検討したうえで5校程度に絞り、現地に行って自分の目で確かめてほしい。通常だと、そのうちチャレンジ校、本命校、安全校の3校を選んで受験するイメージです。この点は、日本の入試に似ているかもしれません」