「空港アクセス戦争」はこんなに過熱していた

成田、関空を舞台にJRと私鉄が激しく火花

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第3ターミナル開業でLCC利用者の増加が見込まれる(撮影:尾形文繁)

だが、LCCの利用客は価格に敏感だ。割高なスカイライナーが敬遠されることはないのか。

こうした見方について、京成電鉄の担当者は「LCC利用客がアクセス手段についても割安感を求めるという捉え方はしていない」と話す。価格ではなく利便性を高めることで、LCC利用客を取り込む構えだ。京成が昨年11月に行ったダイヤ改正からはこの傾向がはっきりと浮かび上がる。

まず、上り始発スカイライナーの成田出発時刻を8時台から7時台に繰り上げた。早朝に成田空港に到着する便の多いLCC乗客の獲得を狙ったものだ。一方、下りの最終イブニングライナーは京成上野発車時刻を22時00分から23時00分に繰り下げた。成田空港着は24時10分で、翌朝のLCC早朝便の利用者に対応した。

ライバルである成田エクスプレスの上り始発は7時44分、快速エアポート成田の下り到着時刻は22時47分。京成が一歩リードしたといってよい。

JRが外国人に人気なワケ

スカイライナーと成田エクスプレスを比較すると、前述のとおり、シェアはほぼ互角だが、外国人だけで比較すると成田エクスプレスの利用者のほうが多い。この理由は、「ジャパンレールパス」など外国人専用のJRパスを使えば、成田エクスプレスに無料で乗れるためだ。

そこで京成は、東京メトロや東京都交通局と組み、地下鉄が1~3日間乗り放題となる切符にスカイライナーの往復乗車券を組み合わせた「京成スカイライナー & 東京サブウェイ・チケット」の販売を昨年7月から開始している。

さらに、春秋航空、バニラエア、ピーチ・アビエーション、エアアジアXといったLCCの機内で「スカイライナーバリューチケット」も販売している。成田空港に到着した外国人客の中には、JRと京成のどちらを利用したらよいか迷う人もいるだろう。だったら「到着前に売ってしまえ」という戦略だ。2470円のスカイライナー料金が2200円に割引になるというメリットもある。

次々と手を打つ京成に対して、JR東日本は成田エクスプレスに往復割引切符を導入し、さらに空いている指定席があれば事前の指定なしに座れる「座席未指定券」という制度を導入した。両社のサービス合戦は激しさを増す一方だ。

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