同センターが提供する4日間の講座は、クリーンルーム内での実習に座学をミックス。受講者が各装置を操作してシリコンウェハー上に集積回路を形成し、直径約2センチのチップに切り出すまでを体験できる。
「製造工程の仕組みや原理がよくわかる」と評判で、設備の古さをメリットに転換した。かつては年1回の開催だったが、現在は年10回ほどに拡充。参加費は約15万円と高額なものの、毎回のように定員14人が埋まる人気だ。
大人数にも対応するため、オンラインでの遠隔セミナーも2020年に始めた。ビデオカメラ3台を用いて、スタッフが半導体を製造する様子を実況中継。計8人のチームで役割分担し、現場でも見えないアングルの映像を届けたり、リアルタイムでの質疑に応じたりする。
初年度の受講者は12人にとどまったものの、メモリー大手のキオクシアが新人教育に採用するなど大手メーカーからの引き合いが強まり、2022年度は約500人が参加した。
一時は閉鎖の危機にあった
現在は盛況な同センターだが、「一時は閉鎖の危機もあった」と中村和之センター長は打ち明ける。
センターは約90台の装置を保有している。約30年前に数十億円を投じ、当時の最新モデルを導入したものの、利用者は主にセンター内の限られた数人だけ。機器のメンテナンスなどで維持費は年間約1億円に上り、外部収入もごくわずかだったため、ただでさえ厳しい大学の財政を圧迫していた。研究業績も伸び悩み、「費用対効果が見合わない」との声が学内で上がったという。
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