食品ベンチャーの完全栄養パン「BASE」でカビ騒動 35歳社長が掲げる「売上高1000億円目標」に試練
2022年5月には香港への展開を開始し、BASE BREADはわずか1年半で累計販売数20万袋を突破。つい先日には香港向けに海外初となる公式ECサイトもオープンし、今後は中国本土やアメリカでの拡大も見込んでいた。
橋本氏も事業拡大の手応えを感じていたようで、直近の決算説明会で「今後5年間で売上高を100億円から1000億円にできるのではないか」と語っていた。さらに売上高1兆円を目指すと公言しており、10月13日には業績の上方修正を発表したことなどもあり、市場からの期待も高かった。
直近2023年2月期の売上高は98億円に対し、営業赤字は9億7000万円。今2024年2月期は、売上高171億円、営業赤字4億2700万円を見込む。商品の自主回収により発生する、配送費や返金などの費用は製造委託先からの補償などで一部補填される可能性があるが、会社側は「業績については現在精査中」としている。
カビ発生の原因は包装の破損か
まさに成長期の真っただ中にある同社に起こった「カビパン騒動」。パンに発生したカビは、熱によってフィルム同士を接着させるヒートシールの不良によって、包装が破損し生じたとみられる。
同社は小麦粉などから製造される通常のパンとは異なり、小麦のふすまや米ぬか、大豆など独自の配合を施した原材料でパンを製造している。ただ、原材料そのものには問題がなく、リョーユーパン唐津工場でのみ製造工程上の問題で製造不良が発生しており、現時点では他工場で製造している商品などに影響はないもようだ。
それでも10月16日に818円の最高値を付けた株価は、カビ発生が話題になった10月23日にストップ安の491円へ急降下。翌24日は461円の終値を付けた。
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