欧州委員会の説明によれば、調査の焦点は2つある。第1に、中国製EVが(中国政府から)補助金を受け取っていたかどうか。第2に、仮に補助金を受け取っていた場合、それらの中国製EVがヨーロッパの自動車産業に損害を与えたかどうかだ。
「中国製EVの海外市場での販売価格は、中国市場での販売価格よりも高い。このため、欧州委員会は反ダンピング調査を持ち出すことができず、反補助金調査に切り替えざるを得なかった。これは一種の保護貿易であり、ヨーロッパ・メーカーのEVを支援するのが目的だ」。中国汽車工業協会の許氏は、そう分析する。
エンジン車はロシア向け好調
許氏によれば、中国汽車工業協会は(業界団体として)中国メーカーが欧州委員会の調査に抗弁するための準備を積極的に支援している。
中国メーカーは、自社製のEVがEUの自動車産業に損害を与えていないことを示す証拠を提出しなければならず、このプロセスは一般的に長い時間を要する。しかし抗弁に成功すれば、欧州委員会の調査は中止になる可能性もある。
一方、エンジン車の輸出に関しては(西側諸国の自動車メーカーが撤退した)ロシア向けの好調が続く。中国海関総署(税関)のデータによれば、中国製自動車の2023年1月から8月までのロシア向け輸出台数は54万4000台と、前年同期の7.7倍に急増。それらの大部分がガソリンまたはディーゼルを燃料とするエンジン車だ。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は10月11日
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