ようやく公開「シャンシャン」住む中国奥地の現状 観光客に期待を寄せる現地、どんな街並み?

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「上海や北京がすっかり都会になって残念」と思っている昔の中国好きは、ほっとするだろう。

ヒルトン系列のホテルも開業

雅安市は都市の大きさ的には1~5級まであるうちの5級都市に分類される。要するに小さな街なのだが、少し前に開業した大型商業施設「万達広場(ワンダ)」から、経営危機が伝えられる不動産企業がつくりかけている高層ビルまで、この数年で大型開発が相次いだ痕跡があちらこちらにある。今年はヒルトン系列のホテルも開業した。これも高速鉄道効果だろう。

そして街にはパンダ要素があふれており、パンダ濃度の濃さは成都市の比ではない。バス停や信号、共産党のスローガンにまでパンダが使われ、市内中心部から10キロほど離れた「大興二橋」には、カンカンやランランなど雅安出身のパンダをモチーフにした34体のパンダ像が設置されている(過去記事:シャンシャン住む中国の街で「パンダ炎上」の真相)。

雅安はパンダとチベットの空気を同時に体験でき、物価も大都市に比べて手頃だ。シャンシャンに会いに行くついでに、ぜひ街を楽しんでほしい。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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