ようやく公開「シャンシャン」住む中国奥地の現状 観光客に期待を寄せる現地、どんな街並み?
シャンシャンが暮らす雅安市のパンダセンターは、四川省に4つある基地の中でも最も来場者が少なく、コロナ禍前は「観光客よりパンダのほうが多い」と言われることすらあった。
筆者が夏に訪れたときも、並ぶことはなくゆったりと見て回れたが、近くで民宿を経営する女性によると、「高速鉄道ができて来やすくなったし、パンダ人気が高まって親子連れの来場者が増えている」とのことだった。
女性が経営する2つの民宿は、数年前から昨年にかけて、パンダコンセプトの宿に全面改装した。中秋節・国慶節の大型連休(9月29日~10月6日)の予約は2軒ともかなり早くに埋まったそうだ。
観光客増える国慶節の公開は見送った
また、パンダセンターはトレッキングコース、サファリパークからなる景勝地「碧峰峡」の一施設で、「碧峰峡」は10月8日から翌年4月末まで冬季営業に切り替わり営業時間が短くなる。中国人観光客の大半は、トレッキングが主な目的でそのついでにパンダセンターを訪れるため、冬季の来場者はかなり減る。
パンダセンターは、観光客が特に増える国慶節の公開を見送り、来場者が減る時期にシャンシャンを屋外展示に慣らしたかったのだろう。
シャンシャンが過ごすのはパンダセンターの「海外から戻ったパンダ」が過ごすエリアで、2019年11月にアメリカから返還されたベイベイ(貝貝)も同じエリアにいる。
2015年生まれのベイベイは、アメリカ・オバマ大統領(当時)の妻と中国の習近平国家主席の妻が名付け親で、中国ではシャンシャンに負けず劣らず知名度が高い。
雅安のパンダセンターは3~4時間で回れるため、訪れる日本人の多くは成都からの日帰りを選ぶ。だが、チベットに隣接し「少数民族の回廊」と呼ばれる雅安は、中国ではニッチな観光地として人気で、日帰りではもったいない。できるなら周辺も楽しんでほしい。
雅安は成都から約130キロ離れ、長距離バスで2時間かかっていたが、2018年末に雅安市と成都市を結ぶ高速鉄道が開設してアクセスが大幅に向上した。成都市の主要駅から1時間ちょっとで行ける。近距離で本数も多いため、大型連休の時期でなければ前日や当日でも予約チケットを取りやすい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら