まるで戦後?「質素すぎる給食」議論起きた諸事情 1食あたり「240円」だと仕方ない気も…?
しかし年長者と話してみると、その違いに気づくことができる。クジラの竜田揚げ、脱脂粉乳、ソフトめん……などなどの話を聞くと、ジェネレーションギャップを覚える。ときには、相手が「世代を問わないあるある」だと思っている場合もあって、食べたことないと明かせば、驚かれることもある。
牛乳だけ見ても、筆者は瓶だったが、三角や四角の紙パックもある。学校によっては粉末調味料を溶かして、デザート感覚で楽しめるらしい。大人になってから、スーパーで「ミルメーク」を見つけたとき、もっと早く出会っていればと感じたものだ。
年齢だけでなく、地域差もある。地産地消の観点から、全国的には珍しい食材が出ることはもちろん、ご飯の提供方法もさまざまだ。筆者の出身地では、クラス全員分の米飯を、給食当番が個々に盛り付けるスタイルだったが、一人ひとりすでに別容器にわけられているパターンも存在する。なかには、ご飯を1人分ずつのアルミ容器で炊き上げ、その容器のまま提供するケースも。筆者が地域情報サイトの編集長をしていたときには、こうした「給食の違い」ネタは、しばしば人気記事になっていた。
物事を語りやすくする要素には、総じて「ほどよい共通点と相違点」があるが、給食はその両方を兼ね備えていることがわかるだろう。
全国一律で導入されているのではない
次の理由「自治体ごとに事情が異なる」点について考えるうえで、ちょっと真面目な話もしておこう。そもそも、学校給食は全国一律で導入されているのではなく、自治体によっては行われていない。1954年施行の学校給食法第4条では「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない」と定めているものの、あくまで努力義務となっている。
また「給食」とひとくくりにしがちだが、文部科学省の定義では、大きくわけて、ミルクのみの「ミルク給食」、ミルク・おかずの「補食給食」、そこにパンや米飯などが加わった「完全給食」の3タイプとされている。拡散された画像は「完全給食」となる。
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