文部科学省が実施する「数理・DS(データサイエンス)・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に、2023年度は国立高等専門学校9校9件のプログラムが認定され、22年度までの42件と合わせて国立高専全校が認定された。23年9月20日、国立高専を管轄する国立高等専門学校機構(以下、高専機構)が明らかにした。また、リテラシーレベルよりも上級レベルの応用基礎レベルには5校5件のプログラムが認定された。
国立高専に「AI戦略2019」目標達成のための環境整う
政府は「AI戦略2019」で「文理を問わず、全ての大学・高専生(約50万人卒/年)が課程にて初級レベルの数理・DS・AIを習得」を目標に掲げている。
文科省の数理・DS・AI教育プログラム認定制度は、この3つを理解し活用する能力を育成することを目的に、これらを体系的に教育する大学・高専の優れたプログラムを認定し、奨励するもの。2021年度に始まり、初級レベルに当たる「リテラシーレベル」は382件のプログラムが23年度までに認定された。
ビジネス課題の解決のためにデータを活用したり商品開発のツールとしてAIや統計を活用できたりすることなどを目指し、大学・高専生の半数に当たる年間約25万人が修得することを想定している「応用基礎レベル」には151件のプログラムが認定されている。
国立高専はリテラシーレベルは23年度までに全51校が認定されたことで、数理・DS・AIに関して学べる環境が整ったことになる。このうち先導的で独自の工夫と特色がある「数理・DS・AI教育プログラム(リテラシーレベル)プラス」に長岡高専と富山高専の2校が選定された。
また、応用基礎レベルには8校(苫小牧・旭川・富山・石川・鳥羽・明石・久留米・佐世保高専)12件の教育プログラムが認定された。
高専機構によると、高専全51校で認定された背景に、この認定制度が始まる前から社会の潮流を捉えて「高専発!『Society5.0型未来技術人財』育成事業」という取り組みを独自に進めていたことがあるという。