「他人に嫉妬ばかりする人」が目を背けている現実 なぜ周りに愚痴や文句を言ってしまうのか?

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その見えている現実というのは、個々人にとって望ましくない現実なのでしょう。

ですから、目を背けてしまい、見えないふりをすることで安心し、他人を批判したりすることで自分のプライドを維持し、心の平安を保っている、ということかと思われます。

「他人を認めないという傾向があるのでしょうか?」とOSさんは問われていますが、実は心の底では他人、つまり嫉妬する対象や批判する対象を認めてしまっているのです。

嫉妬の構図は非常に簡単で、自分ができていないことができているヒトや、手に入れられない物を持っているヒトを妬む、ということです。

つまり、他人に嫉妬するヒトは、自分に足りない部分や欠点を実は理解しており、自分とは真逆のヒトを恨む、ということなのです。

したがって、嫉妬をしないようになるには、嫉妬される側が変わるのではなく、嫉妬する側=自分が変わる必要があります。

同期や同僚への嫉妬、友人や知人、有名人への嫉妬。仕事関係、恋愛関係、経済的なこと、家族や友人関係。すべて同様です。

自分の至らなさを認め、努力をする必要がある

嫉妬や批判といった負の感情を周りに対して持たないようにするには、自分自身の至らなさを認め、そのうえで工夫や努力をし、克服していくしかありません。

繰り返しですが、どんなに他人を批判しても、嫉妬しても、自分自身が成功できるわけではありません。

そして自分自身でつねに努力や工夫をすることが大切です。自分自身の人生を生きているヒトは、他人を嫉妬したり、批判するような真似はしません。

そのような行為は時間の無駄だと理解していますし、何よりもそうしたところで自分の今現在の状況や将来の人生が変わらないことを理解しているからです。

自分は自分、他人は他人、です。

詳細はわかりかねますが、頂戴した相談を拝見するに、OSさんの周りの方たちはやはりそういったことを理解せずに、現実逃避の手段として自分以外のすべてを批判する、嫉妬する、という行動に出てしまっているように思われます。

理想の自分がある程度わかっており、でもその自分に近づけない自分に対するもどかしさなんかを他人を批判することで隠しているのでしょう。

そういった嫉妬や批判をするヒトというのは、本当はその嫉妬されている側に回りたいのです。

それでも、そうできない自分がいて、そこに至れない自分がいて、そのことが悔しいし、羨ましいから嫉妬や批判をするのです。

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