なぜ人々は「マツコ」にこうも惹きつけられるのか 「マツコ会議」終了に見るマツコ・デラックスの今後

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そんな『マツコ会議』が、ちょうど8年続いたところで終わりを迎えることになったわけである。土曜夜11時の番組としてすっかり定着していたので、やはり寂しい気持ちもある。

ただ、10月からは同じ日本テレビ系で早速マツコ・デラックスの新番組が始まるとのことだし、マツコがメインを務める番組はほかにもある。その意味では、目にする機会はこれまでとほとんど変わらない。

だが『マツコ会議』には、ほかのマツコの番組にはない特別な魅力があったように思う。そしてそこには、マツコ・デラックスという類まれなテレビタレントの現在地が垣間見えたりもした。その現在地とはどのようなものか? 改めて足跡を振り返りながら、そのあたりに話を進めてみたい。

印象的なビジュアルと抜群のコメント力でブレーク

1972年生まれのマツコ・デラックスがタレントとしてブレークしたきっかけは、TOKYO MXの情報番組『5時に夢中!』への出演だろう。2005年のことである。

マツコはゲイ雑誌の編集者だった時期があり、その後エッセイの執筆など文筆活動をおこなうようになっていた。そしてその一方、女装でパフォーマンスするドラァグクイーンとしてたびたびステージにも立っていた。

『5時に夢中!』への出演依頼が来たのも、同じドラァグクイーンの友人であるミッツ・マングローブとともに営業のため新幹線に乗っていたときのことだった。

当時番組司会だった徳光正行とミッツはいとこ同士。ミッツからマツコの噂を聞いていた徳光が、来られなくなった出演者の代役を探していて思い出したのである。それから間もなくして、マツコは同番組のレギュラーに就任。現在も月曜コメンテーターとして出演している。

そこからの快進撃は、多くの人が知るところだろう。

一度見たら覚えてしまう大柄な体格と印象的なフォルム、そして毒舌のなかにもバランス感覚に優れ、「確かに」とこちらが納得してしまう抜群のコメント力で、瞬く間にバラエティー番組への出演が増えた。

いわゆる「オネエタレント」はそれまでも多くの先達がいたが、その頭脳の明晰さと博識さにおいて、マツコ・デラックスの存在は抜きん出ていると言っていい。

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