社員に伝えるメッセージに悩むようなら、社長を降りるべき--西本甲介・メイテック社長(第6回・最終回)

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社員に伝えるメッセージに悩むようなら、社長を降りるべき--西本甲介・メイテック社長(第6回・最終回)

--新卒で入社された会社はカネボウですね。メイテックへ移られた経緯をお聞かせ下さい。

25~26歳の頃、起業したかったのですが、起業するにはまだ早いとも思っていました。カネボウでは日本的な大企業の組織について学べたので、次はベンチャー企業で経験を積もうと考えたんです。

見ていたら、メイテックが採用募集をしていました。当時は未上場のベンチャーでしたが、地元ではそこそこ知名度を上げていましたし、社長室の募集だったので経営的なことが学べるのではという単純な動機で受け、採用されたというわけです。

--10年後には社長室長になられました。ここで身についた経験はなんでしょう。

社長室は広報機能も担っていたので広報誌を一生懸命作っていました。社員は普段お客様のところで働いており、一堂に集まる機会がないので昔から当社は会社と社員の接点として社内報を重視していたんです。

関口さんも「こういうふうに俺をアピールしてくれ」とよくコミットしてきました。トップの思いをどうやって社員と共有していくのかということを大変気遣う社長でしたね。私も社長になってから社内報やブログにメッセージを書いています。

「よく毎月書くことがあるね」なんて言われますが、社長というものは、常に社員に何かメッセージを伝えたいものなんですよ。何を書こうかと悩むようなら社長を降りるべきだと思います。

上場してからの大きな危機はバブル崩壊とリーマンショックでしたが、社内報だけは発行し続けました。今は季刊でネットと合わせて情報を発信しています。社員の家族にも見てほしいという思いもあって紙での発行にはこだわっており、電車の中で読めるようにとサイズにも気を使っています。

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