会社で起きることのすべての責任をとるという徹底した当事者意識を学んだ--西本甲介・メイテック社長(第5回)

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会社で起きることのすべての責任をとるという徹底した当事者意識を学んだ--西本甲介・メイテック社長(第5回)

--1996年、メイテック創業者の関口房朗さんが取締役会で解任されて話題となりました。関口さんはどういうオーナーだったのでしょうか。

今でも心から尊敬しておりますし、私はあらゆる起業家や創業家の人たちを尊敬しています。

起業家や創業家は、総じて常識をぶち壊していくいい意味で非常識な人たち。非常識でないと起業も創業もできません。

派遣法が制定されたのは85年なので、74年の創業時はまだ派遣法がありませんでした。派遣というビジネス自体が合法と非合法の狭間にあり、そんなもの事業といえるのかと批判される中、関口さんは派遣という働き方を思い切り肯定してきたんです。世間の常識とはまったく対極に位置する見方を社内に浸透させ、87年には人材ビジネス業界の中で初めて上場を果たしたのですから、まさに“非常識”な方です。

しかし、企業は基本的に社会の常識という制約の中で存在が成立しなければいけません。上場などは制約の最たるものです。創業者の持つ非常識と企業が守らなければならない常識とのバランスがとれないと、企業は長く続かないと思います。

残念ながら当社は解任というドラスチックな手段をとらないと、そのバランスがとれなかったということです。

--歴代の社長室長は皆さん1~2年で辞めてしまっていたそうですが、西本さんは社長室長と人事部長を経て37歳の若さで取締役に抜擢されました。関口さんにかなり信頼されていたのではないでしょうか。

創業者はわがままな人が多い。自分の思いどおりにならないのが気に入らないんです。だからイエスマンが集まってくるのですが、実はご本人はイエスマンだけを求めているわけではなく、自分の言うことを否定してくるような奴を実は面白いと感じるところがあるのだと思います。

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