ジャニーズ問題、テレビ6局声明への違和感の正体 どういう構造でこうなったか解き明かされるか
性加害は重大な人権侵害であり、いかなる性暴力も許されません。
ジャニーズ事務所前社長であるジャニー喜多川氏の性加害問題について、テレビ東京は6月以降、同事務所に対し、第三者機関による検証と公表、さらには再発防止の徹底などを申し入れてきました。
ジャニーズ事務所の再発防止特別チームは本日、性加害の事実を認定し、藤島ジュリー景子社長の辞任を含むガバナンスの強化などを求めました。
テレビ東京は、ジャニーズ事務所が今回の報告を受けて、迅速で的確な対応をとるよう望みます。
また、再発防止特別チームの報告書は、メディアの関わりについても言及しています。テレビ東京はこうした指摘を重く受け止め、人権デューデリジェンスの考え方に基づき、自社はもちろん、取引先についても、人権重視の姿勢を徹底するよう今後も行動して参ります。
調査報告書に記された再発防止策について、ジャニーズ事務所が今後どのように対応していくのか、その推移を注視していきたいと考えております。
また、報告書に記されたマスメディアの過去の報道に関するご指摘を真摯に受け止めております。
性加害が決して許されないことは当然です。当社としても、あらゆる人権侵害を防ぐべく対処していく所存です。
ジャニーズ事務所の「外部専門家による再発防止特別チーム」が調査報告書で、ジャニー喜多川氏による性加害について「マスメディアが正面から取りあげてこなかった」などと指摘していることを重く受け止めています。
NHKは、職員の行動指針として「人権、人格を尊重する放送を行うこと」を定めており、性暴力について、「決して許されるものではない」という毅然とした態度でこれまで臨んできたところであり、今後もその姿勢にいささかの変更もありません。
ジャニーズ事務所に対しては、被害者救済と再発防止に取り組むよう要望するとともに、その実施状況を確認しながら、人権尊重の観点から、適切に対応していきたいと考えています。
全6局が性暴力について「決して許されるものではない」と断言しつつ、取引先であるジャニーズ事務所に対して「注視していく」「要望する」というスタンスを示し、メディアへの指摘については「重く受け止めている」。その内容は、まるで同じ例文を見て書いたかのように「6局ほぼ同じ」と言っていいでしょう。
「各局横並び」では逃げ切れない時代
とくに自らの非であり、反省を述べるべきであろうメディアへの指摘については、各局がわずか1行程度で終了。「具体的な文章を書くほど、さらなる批判を浴びやすくなり、加害者としての責任を問われかねない」「“各局横並び”でこれくらいの文章にとどめておいたほうが……」という意識を感じさせられます。
その“各局横並び”こそ長年におけるテレビ業界の悪癖。筆者は長年テレビ業界をウォッチしてきましたが、これまで各局は、日ごろの番組編成やキャスティングから、災害、国政選挙、皇室、世界的出来事などへの対応まで、さまざまな点で横並びの番組制作を行ってきました。とくにリスクがあるときは各局横並びの意識が強く働き、「自局だけが責められないようにしてやりすごす」というケースが多かったのです。
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