ジャニーズ問題に経済界も無関心ではいられない 「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に聞く
──性被害は石丸さんの心身にどのような影響を与えたのでしょうか。
石丸 PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされている。寝るときに電気を消すと、つま先から触られている感触を思い出す。触られた記憶ではなく、触られている感触。鳥肌がぶわーとたって、ぞくぞくぞくっと体が硬直して眠れない。
36歳でうつ病になって、今も続いている。当時は仕事が激務であったためと診断された。ところが今年5月に性被害を告白したら、うつ病もそれが原因ではないかと病院でいわれた。性被害に遭ったことをごまかすために、自ら激烈な働き方を好んで行っていたようだ。
一方でジャニーズは自分にとって人生の出発点。それを自己肯定するために、自分のブログではジャニーズやジャニー喜多川を賞賛していた。「洗脳」は、BBCの報道とカウアン・オカモトさんの告発で解けた。今はジャニーに「さん」と敬称をつけることもおぞましい。
カウアンさんと私の年齢差は30歳。その30年間にいったい何人の被害者が出たのか。私の感覚だと数千人はいる。(被害の場となった)合宿所の場所は年代によって違うが、当事者の会に入ったメンバーの話を聞くと、加害行為の中身は同じ。むしろ回数などは酷くなっている。
あのとき身を挺して動いていれば、後輩たちの被害を止められた可能性はゼロではなかったかもしれない。罪悪感を感じる。
受け入れないと居場所がなくなる
平本 先ほど石丸が言った「ぞわっ」とする感触は、リアルにわかる。あるとき不意にやってくる。
被害の度合いは人によって違う。されるのは、最初は抵抗するがもはやどうでもよくなる。「もう好きにしてくれ」とがまんすればいい。受け入れないと居場所がなくなる。「YOU、なんでここに来たの?来ちゃダメでしょ」と、みんなの前で言われるのは怖い。