
8月2日に河北省涿州市内で活動する救助隊。同地は三国志の英雄、劉備玄徳の故郷として知られる(写真:VCG/アフロ)
140年前に北京気象台が創立されて以来の豪雨で、北京市や河北省などでは深刻な水害が発生した。都市化で人の居住区域が拡大する一方、防災対策など地道な社会基盤の整備は遅れている。中央の顔色ばかりを伺う「忖度(そんたく)政治」への住民の怒りは強い。
大型の台風5号「トクスリ」の接近で、北京市内では7月31日、8月1日で740ミリメートルを超える降雨を記録。この豪雨で8月2日までに同市や河北省で11人が死亡、27人が行方不明になった。
「首都の市内でこんなことが」
被害が集中したのは市内南西部の山あいの門頭溝区。上流の山地に降った雨が濁流となって幾筋もの幹線道路を流れ下った。無数の車両が軽々と押し流される映像に、「首都の市内でこんなことが」と多くの国民があぜんとした。
北京では近年の地価上昇で市街地が拡大、同区では傾斜地に中高層のマンションが大量に建てられた。GDPの拡大には熱心だが、防災計画をなおざりにした市政府の責任を問う声が上がっている。
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