加藤社長によれば、生産クオリティは国内の岡崎、水島とも同水準にあるという。新型トライトンはここから世界に送り出されるのだが、その中には今回、日本も含まれている。実に12年ぶりの市場投入である。
そのサイズもあり、数として大量に売れるクルマではないだろう。しかしながらコアなファンに指名買いしてもらえるようなクルマになれる可能性は十分にある。現在はトヨタがハイラックスを導入しており、安定した販売を続けている。チャンスはあるはずだし、何よりイメージ的な効果は大きい。
「トライトンにはシングルキャブからダブルキャブまでいろいろなタイプがあります。久々の日本市場投入の目的はブランドイメージのアップ。なのでハイエンドの、ラグジュアリーとは言わないけれど、少し高いブランド価値を認識してもらえるようなモデルを入れたいと考えています」
加藤社長は言う。おそらく上陸するのは2列シートのダブルキャブで、装備も充実した仕様となるに違いない。
取り戻しつつある“三菱らしさ“
一旦はブランド力が地に落ち、またルノー・日産とのアライアンスに入ったことで、独自性や個性についても薄まった感が否めない時期を過ごしてきた三菱。しかしながら現体制になって遂に、結局のところ“これが三菱自動車のクルマなんだ”と自信をもって送り出せる製品こそがブランドを救うというところに行き着いたようである。
クルマ作りはどうやら変わってきた。あとはまさに売り方、そしてブランド作り、ファン醸成をどのように進めていくか。ようやく新たな船出となった感のある三菱の今後は、ちょっと面白くなりそうだ。
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