ホンダ新型「N-BOX」販売台数首位、王者の決断 キープコンセプト、使い勝手や質感が高まった

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シリーズ中で最も人気が高いのが、軽スーパーハイトワゴンというスタイルを採用するN-BOX。軽スーパーハイトワゴンとは、全高1700mmを超え、広い室内などを持つワゴンタイプの軽自動車で、使い勝手の良さなどもあり、近年、ファミリー層を中心に大きな支持を受けている。ダイハツ「タント」やスズキ「スペーシア」など、各メーカーが、さまざまなモデルを投入しているが、なかでもN-BOXは、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」を採用していることが大きな特徴だ。

ホンダが特許を持つこの技術は、通常は後席や荷室の下にある燃料タンクを前席下へ配置することで、室内のフロアを低く設定できることが利点。天井を高くでき、大人4名でもゆったりと座れる広い室内空間を実現するほか、多彩なシートアレンジも可能とする。そして、これらのマッチングで生まれる、軽自動車とは思えない高い快適性や実用性が大きな魅力だ。

登録車も含めた新車販売台数NO.1の2代目

2代目N-BOX/N-BOXカスタム
2017年にデビューした2代目N-BOX/N-BOXカスタム(写真:本田技研工業)

とくに2017年に登場した現行の2代目モデルは、セールス的にかなり成功したモデルといえる。主な特徴は、初代モデルでも好評だったセンタータンクレイアウトによる広い室内などを継承しつつ、プラットフォームやパワートレインを刷新し、運転のしやすさなどを向上。また、先進運転支援システム「ホンダ センシング」を軽乗用車で初採用し、ドライブ時の疲労軽減や快適性などもアップしている。そして、これら高い商品力を持つ装備などが、メインターゲットである30歳前後の若いファミリー層の多くへ訴求。さらに子どもが独立した50代や仕事を引退した60歳以上など、ユーザー層の拡大もあり、前述のとおり、ここ数年「日本で最も売れているクルマ」となっているのだ。

ちなみに全軽自協(全国軽自動車協会連合会)や自販連(日本自動車販売協会連合会)が発表した年間(1~12月)の新車販売台数データによれば、軽四輪車のジャンルでは、2022年まで8年連続で1位。登録車も含めた年間の新車販売台数でも、2017~2020年に4年連続で1位を獲得している。その後、2021年は、累計販売台数で200万台を達成したことが話題となるが、年間の新車販売台数ではトヨタ「ヤリス」に首位を奪われる。ところが翌2022年には、年間20万2197台を販売し再び1位を奪還。直近の2023年上半期(1~6月)でも、11万2248台もの新車を販売したことで、やはり登録車を含む新車販売台数において第1位に輝いている。

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