コロナ禍脱した?JR東「駅利用者回復」ランキング 2022年度「上位100駅」、19年度比で見えた実力差

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まずは2022年度の乗車人員ランキングだ。

トップ10の駅は、1位が新宿(60万2558人)、2位池袋(45万8791人)、3位東京(34万6658人)、4位横浜(34万0536人)、5位渋谷(29万2631人)。以下、6位品川、7位大宮、8位新橋、9位秋葉原、10位北千住と続く。

トップ10の顔ぶれは2019年度と同じだが、渋谷と品川、新橋と大宮の順位が入れ替わっている。品川は2016年度に渋谷と逆転してトップ5入りし、当時は渋谷の「地盤沈下」と品川の躍進が話題となったが、コロナ禍の2020年度に再び逆転した。

JR東日本 駅乗車人員トップ10 2022年度と2019年度比較

2022年度の1日平均乗車人員上位100駅のうち、2019年度比で乗車人員が減った駅を比較すると、品川は1位の新宿(17万2828人減)に次いで2位(12万8687人減)。以下、3位東京、4位池袋、5位新橋といずれも都心部の駅だった。渋谷も7位で約7万3000人減っているが、品川の減少が上回るため逆転が続いている。

2022年度 コロナ前比で乗車人員が減った駅10

定期客が大きく減った品川

品川駅は上位100駅の中で乗車人員の回復率が最も低かった駅で、2019年度比で65.9%と、3割以上減少している。同駅は東海道新幹線や羽田空港アクセス路線の京急線と接続する「東京の玄関」の1つ。コロナ禍による行動制限などでこれらの利用者が戻りきっていないのが減少理由のように思えるが、データを見ると実は「定期客」が大きく減っている。

2019年度、品川駅の1日平均乗車人員37万7337人のうち定期外客は15万7065人、定期客は22万0272人で、定期客が58.4%を占めていた。一方、2022年度の1日平均乗車人員は24万8650人で、定期外客は12万3857人、定期客は12万4792人と、定期客の比率は50.2%まで下がっている。定期外客数はコロナ前の8割近くまで回復しているものの、定期客については6割に満たない状態だ。

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