国債は日銀が買い取る? 100人の島に例えて解説 日本政府の1000兆円の借金は問題ないのか?

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日本政府は、国債を約1000兆円発行しています。

日銀は約600兆円(=紙幣発行分+当座預金分)を発行して、国債を約500兆円買い取っています。

ざっくり整理すると、以下のようになります。

<国(日本政府+日銀)の合計資産>
国債500兆円分
<国(日本政府+日銀)の合計債務>
国債1000兆円分+通貨発行600兆円分

※日本銀行が1万円札を発行すると、1万円分債務として計上されます。

国(日本政府+日銀)の債務超過は約1100兆円になりますが、これは孫悟空とカッパ君の例と同じで、特に問題ありません。

なお、国債を発行すると、基本的には、民間銀行が買います(※そのため、国債は基本的に民間銀行が保有しています)。

ざっくり言うと、近年の日本では、日本政府が建設費1億円でビルを作るとき、

① 日本政府は、まず日本銀行に「1億円払う予定だよ」と伝えます。

②日本銀行は、1億円発行し、民間銀行が持っている国債を1億円分買い取ります(準備預金の事前供給)。

③政府は国債を発行し、民間銀行はそれを1億円で買う(※手続き自体は日本銀行が代行)。

④政府は手に入れた1億円で建設会社に支払う

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という手続きがされています。

結果として、日本政府は、国債を発行し、ビルを得ます。

建設会社は、ビルを建て、1億円得ます。

民間銀行は、1億円分の国債を手放し、また1億円分の国債を得ます。

日本銀行は、1億円発行したあと、国債を1億円分得ます。

以上が国債発行と通貨発行のざっくりとした仕組みでした。

「国の債務が1000兆円を超えている」からといって、ヤバイわけではありません。国の債務を一般家庭の債務のように捉えることはできないのです。

次回はコチラ:「政府は赤字が基本?」100人の島に例えて解説

ムギタロー 経済評論家

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むぎたろー / Mugitaro

1994年生まれ。福島県出身。経済評論家。社会基盤学や粉粒体物理学を専門とする研究者。2013年県立福島高校卒。2017年東京大学工学部卒。2022年東京大学工学系研究科博士後期課程修了。博士(工学)取得。YouTuberとして、現代貨幣理論を中心とした最新経済学を一般向けにわかりやすく解説することに定評がある。ポエトリーラッパーとしても活動中。

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