人間関係に疲れる人に伝えたい「考え方のコツ」 学校や会社は"寄せ集めの環境"と考えよう

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人間関係のバランスを意識するためのイメージワークとして、服でたとえてみましょう。着心地がよくて毎日のように着ていた服も、ふと、着なくなるときってありませんか? 嫌いになったわけでも、飽きたわけでもなく、なんとなく着なくなってしまった服はありませんか?

実は人間関係も似ているところがあって、当時は大好きで毎日のように一緒にいて、居心地がよかった人とも、ふと、違和感を覚えたりなんとなく居心地が悪くなったりすることがあるんです。しかも服は変わらないけれど人間は変わります。見た目はあまり変わっていなくても、お互いに私たちはつねに変化し続けているんだということを理解しておくことが必要です。これは親子でも、友達でも、親友でも。

そして離れて行く人は、あなたの「今」にはあまり必要がない人になったと考えるのも1つです。当時はお互いに必要だった。けれど、それも変わった。見捨てるとか価値がなくなるのではなく、今の自分にとっては必要ではなくなった、ということなんです。

学校や会社は電車の中だと思ってもいい

学校は「友達と学生生活をエンジョイして楽しく勉強するところ」という選択肢しかないと、友達やクラスメイトとの人間関係に悩まされ振り回されてしまうことがあります。

そこで選択肢を増やしてみましょう。学校は電車の中だと思ってもいいんです。電車は同じ目的地に向かうための「手段」です。同じ目的地で同じ電車に乗っているからといってその人たちと友達になれなくてもいいですよね?

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学校や人間関係がつらい人は「当たり前の価値観や考え方」に苦しめられていることがあります。そこで、心を楽にするために「学校は電車の中」のような少し極端なイメージをしてみましょう。「え!? そんな考え方もアリなの!?」という固定観念にとらわれない考え方を取り入れることで心がリラックスできるようになります。

極端な考え方を続けますが、学校はたまたま同じ年齢、たまたま同じ地域、たまたま同じクラスになっただけの「寄せ集めの環境」だと思ってもいいんです。そうすると無理に友達を作らなくてもいいし、無理に仲良くしなくてもいい。好きな教科や興味のあることを学ぶ時間にしてもいい。友達は学校ではなく別の環境、あなたを傷つけない環境で作ればいい。

そして、電車の中は、自分だけの自由な空間ではありません。電車の中のマナーやモラル、エチケットは大切ですよね。適度な距離感、学校はそれを学ぶ場でもいいんです。学校の友達だけがあなたの人生でメインの友達になるわけではありません。

今の環境で友達ができなくても、それを自分のせいにしなくていいんです。自分を責めなくていいんです。自分をイジメなくていいんです。

吉井 奈々 コミュニケーションと心の専門家

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よしい なな / Nana Yoshii

一般社団法人JCMA代表理事。出生時に割りあてられた性別は男性だったが、性別適合手術を受けて戸籍を女性に変更し、現在は男性と結婚。日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当。また、筑波大学や早稲田大学をはじめとする多くの大学で講師を務め、全国200校を超える中学校・高校で、生徒・教員・PTA向けの講演を行っている。著書に『未熟なまま輝く キミへ伝えたい 自分を大切にする生き方・考え方』(KADOKAWA)、『いつもの言葉があか抜ける オトナ女子のすてきな語彙力帳』(ダイヤモンド社)など。

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