「人一倍勉強しなさい」指示され育った少年の悲劇 中学生になっても平然と「携帯を監視」した親
2016年、千葉大学の学生が、中学生の女子生徒をアパートに2年間も監禁していたという事件がありました(朝霞少女監禁事件)。
この事件がメディアで報じられたとき、「なぜ2年間も逃げられなかったのか?」ということが話題になりました。アパートは厳重に鍵をかけて出られないようにしているわけではなく、目の前には千葉大学があり、助けを求めることができそうな環境だったからです。女子生徒がひとりで買い物に出かけることもありました。
「女子生徒はなぜ逃げなかったのでしょうか?」
当時、メディアに呼ばれて何度も聞かれました。まるで逃げ出さなかった被害者が悪いとでも言うような論調は、困ったものだと思います。
女子生徒は心理的に拘束されており、逃げられなかったのです。これは少しもおかしいことではありません。
ちなみに、監禁していた大学生は「一番すごいと思うのは麻原彰晃」と語っており、マインドコントロールについて勉強していたことがわかっています。早い段階で恐怖を与え、逃げたら大変なことになると刷り込んで、心理的に拘束したのでしょう。
物理的には拘束されていなくとも、心理的拘束から逃れるのは非常に困難です。
マインドコントロールはどこでも起こる
マインドコントロールはカルト的な集団で使われているイメージが強いと思いますが、その技術を学んだわけでなくともできてしまうものです。高圧的に接して命令し、罰を与えるなどして恐怖を与えればいいのです。噓を織り交ぜるとさらに強力です。家庭の中だってじゅうぶん起こりえます。
2020年、ママ友にマインドコントロールされた母親が5歳の子を餓死させたという事件がありました(福岡5歳児餓死事件)。
これも、普通に考えれば「なぜ母親が、ママ友に言われたからといって、自分の子どもにご飯を与えず餓死させるなんていうことができるのか?」と疑問に思うでしょう。
ママ友は母親に対して「夫が浮気をしている」「他のママ友が悪口を言っている」などの噓をついて孤立させ、相談に乗るふりをしながら支配していました。母親が離婚すると「子どもが太っていると養育費や慰謝料がとれない」と言い、子どもたちへの食事を極度に制限させました。心理的拘束のもとで、母親は支配者の言うことを聞く以外できなくなってしまったのです。
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