福島県内の学校使用について政府が「暫定的考え方」を発表、放射線年間20ミリシーベルト許容に懸念の声も
「年間20ミリシーベルト」は、屋外にいる時間を1日8時間、空間線量率を1時間当たり3.8マイクロシーベルトとし、屋内(木造家屋)にいる時間を1日16時間、空間線量率を同1.52マイクロシーベルトとしている。1日の屋内・外での空間線量率に365日をかけると約20ミリシーベルト。これを今回の考え方の元にしている。
福島老朽原発を考える会の阪上武代表は、「年間20ミリシーベルトは高すぎる。子どもが大人よりも放射線への感受性が強いことを考えるべきなら、なぜ1ミリシーベルトを基準にしないのか」と指摘する。さらに、「できるだけ放射線は浴びさせないのが基本。だが、今回の考えも『これくらいならいいのでは』という考えが垣間見える」と言う。また、基準は外部被曝であり、内部被曝の影響も考慮の後が見られないのは確かだ。
同会をはじめ福島県の団体は、3月末から福島県に新学期の延期を求めていたが、すでに新学期は始まっている。今では、子どもが放射線の影響をより受けやすい環境にいる。
福島第一原発事故以降、政府が「安全だ」とする基準が変わることがある。日常的に一定の放射線量があるにせよ、放射線はできるだけ浴びないのが人間としての基本ということを忘れていないだろうか。学校運営における一定の基準が出されたことはよいが、それでも子どもの健康を考えると、不安が残る。
福島県は4月5、6日に県内の学校等の全校調査を実施。4月14日に再調査した52校のうち、校舎外で地上から1メートルの高さでの1時間当たりの平均空間線量率が3.8マイクロシーベルトを上回った学校・園は9校、地上から50センチメートルでの同平均空間線量率が3.8マイクロシーベルトを上回った学校・園は16校あった。
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