Netflix「離婚しようよ」世界ランク伸び悩むワケ 仲里依紗と松坂桃李、夫婦危機ドラマ世界10位

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「離婚しようよ」のこれまでの成績はというと、配信開始2週目でNetflix公式グローバルランキング(非英語TV番組)10位に滑り込み、7月9日現在のグローバルランキングではこれが最高値です。日本国内では2週連続で週平均1位を記録し、海外では唯一、台湾で週平均9位をマークしました。かたや、ジャンルや配信日が近い韓国ドラマの「キング・ザ・ランド」や「生まれ変わってもよろしく」は30カ国前後でトップ10入りし、これらと大きく引き離されているのが現実です。

そもそも韓国で製作されたNetflixオリジナルシリーズの数は、日本のそれと比べて桁違いに多く、経験の差があると思います。イギリスの調査会社Omdiaによると、韓国では自国製作のNetflixシリーズを視聴する割合は68%も占めています。日本の場合は、19%程度と低く、作品数に比例しています。

宮藤官九郎ワールドらしい強烈なキャラクターが次々と登場する。写真は左から板谷由夏、松坂桃李、仲里依紗、古田新太(画像:Netflix)

グローバルに広がらないのがもったいない

日本で製作されるNetflixシリーズの数は増えつつあるといった段階で、「離婚しようよ」はNetflixとTBSテレビの共同製作作品として作られた背景があります。宮藤とは「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」、大石とは「大恋愛~僕を忘れる君と」など、数々のヒットドラマを手掛けてきたTBSのドラマプロデューサー磯山晶が企画しています。

共同脚本という新たな試みも磯山の案です。複数の脚本家が1話ずつ分担して執筆する連続ドラマは他にもありますが、「それでは共同作業をする感覚が持てない」と、宮藤がそう話したことから、物語の筋道は1話ごとに担当して書くものの、シーンごとに割り振りする方式が採用されたそうです。

面白さを追求した作品に違いなく、世界配信を前提に作る過程で正解を探っている姿勢も感じられます。それでも結果は結果。いま一つグローバルに人気が広がらないのがもったいないと、何度となく繰り返して言いたくもなります。

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長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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