安倍首相がシリコンバレーを訪問したワケ テスラのマスクCEOとは笑顔で「再会」
もっとも、安倍首相とマスクCEOが顔を合わるのはこれが初めてではない。マスクCEOが日本を訪れた2014年9月9日にも、マスクCEOが内閣府を訪れて会合を持っている。その際には、マスクCEOが自らを勤める民間ロケットベンチャーのスペースXのロケット模型を安倍首相に贈呈。一方、安倍首相はマスクCEOが2011年に福島県相馬市へ太陽光発電システムを寄付したことに対して謝辞を述べている。
FCVに関する質問にはほぼ無反応
今回、「モデルS」の模型は渡したのか、という記者団の問いに対し、マスクCEOは「テスラの色々なグッズを渡した」と笑いながら答えたものの、国が後押しする水素を使った燃料電池の「水素燃料電池自動車(FCV)について首相と話し合ったか」という質問には「話していない」と、素っ気なかった。
EVもFCVも、燃料供給のインフラの普及が事業成功のカギを握っており、日本では今のところ、トヨタが「MIRAI(ミライ)」の生産を始めるなど、FCVが先行しているとされる。一方、マスクCEOはFCVに対しては懐疑的で、1月に米デトロイトで開かれた北米自動車ショーのイベントなどでも、水素燃料電池は「愚かな方法」などと批判。トヨタのミライについても「数年内に失敗だったとわかるはず」と手厳しい。
安倍首相の訪問及び、「架け橋プロジェクト」についてシリコンバレー企業の幹部たちは「日本のリーダーたちが世界のビジネスを知る良い機会」と高く評価している。また、地元メディアも安倍首相の「シリコンバレーから学びたい」という姿勢をおおむね好意的に報じている。
一方、安倍首相は同プロジェクトを通じて、日本の十八番であるロボットやバイオ企業をシリコンバレーの投資家たちに紹介したいとの考えも示している。これをきっかけに、日本の企業や技術がシリコンバレーで存在感を示せる日が来るだろうか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら