水商売から「昼職へ転職したい」叶えるガチな現場 面談では「昼職なめんなよ」と怒ることも

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営業風景
(撮影:今井康一)

昼jobが紹介する職種として多いのは、営業職、エステや脱毛サロンなど美容関係、人事や広報などのバックオフィス系。そのほか、SEなどの技術職に転職するケースもよくあるという。採用をしたい約300社の企業と取引をし、毎月30~60人が入社にいたっている。

坪嶋さんが特に印象に残っている求職者は、昼jobを設立して、最初に転職支援をした女性。当時21歳で、風俗での勤務経験しかなかった。ビジネスマナーもわからなければ、PCスキルもない。そこで名刺交換のやり方から、Excelの基本操作やメールの作法など、ビジネスで最低限必要なことを教えていった。彼女はあまり社交的なタイプではなかったため、面接もうまくいかず、不採用ばかり。だが約10社目で、ようやく内定が決まったのだった。

後日、坪嶋さんの誕生日に、彼女は「昼jobに出会って人生が180度変わりました。本当に感謝しています」と、名刺入れをプレゼントしてくれたという。

「時間はかかったけど、二人三脚で、本当に力を入れて応援していたのでうれしかったです。その子は僕のなかで、一生忘れない子だろうなと思います」

名刺入れ
今も愛用している大事な名刺入れ(撮影:今井康一)

坪嶋さんは感慨深そうに振り返る。そして笑いながら、「実は」と続ける。

「その名刺入れ、新卒が最初に買うようなもので、4980円なんですよ。ぶっちゃけ僕、ブランドものの名刺入れを持っていたんですけど、社員にあげて、彼女からもらったのをずっと使っています。(4980円のものだと)バレたらどうしよう、ってたまにちょっと恥ずかしいですけど(笑)」

ちなみにその女性は、約1年半後にほかの会社からヘッドハンティングされ、給料も大幅に上がった。結婚もし、公私ともに幸せに暮らしているそうだ。

甘い考えの人には「昼職なめんなよ」と怒ることも

一方で、採用にいたるどころか、昼jobに来た段階で「お手上げ」となってしまう人もたまにいるという。ある女性は、約束の時間に遅刻をしてきて、会話はタメ口、態度もよくない。希望の仕事や条件を聞くと、「これしかやりたくない」「でもネイルはしたい」などわがままばかり。

このままでは難しいと判断した坪嶋さんが、「ちゃんと昼の仕事に移る覚悟を持ってからまた来てほしい」と伝えたところ、女性は「わかりました、じゃあ帰るのでタクシー呼んでもらっていいですか?」と言い放ったという。「さすがにキレそうになりました」と坪嶋さんは苦笑する。ほかにも、必死のサポートの甲斐あって、ようやく転職が決まったものの、入社初日のお昼休憩でバックレた人もいたのだそう。

それでも、数々の転職を成功させてきた背景には、坪嶋さんをはじめとした昼jobの社員と、求職者との濃密な面談がある。経歴や希望の職種・条件などを形式的に聞くだけではなく、「本気で人生を変えたい気持ちがあるか?」を確かめ、甘い考えの人には厳しい言葉をぶつけることも。「めちゃめちゃ詰めますし、昼職なめんなよ、とか怒ることもあります」と坪嶋さんは明かす。

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