中国新興EVの「中東マネー」獲得成功に熱視線 アブダビの政府系ファンドが約1558億円を出資

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蔚来汽車は中東マネーの出資をテコに、財務体質の改善を目指す(写真は同社ウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(NIO)が、中東の投資家からの資金調達に成功した。

同社は6月20日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビの投資ファンド、CYVNホールディングスとの契約締結を発表。CYVNは第三者割当増資の引き受けと既存株式の買い取りを通じて、蔚来汽車に総額約11億ドル(約1558億円)を出資する。

具体的には、CYVNは蔚来汽車が新たに発行する8469万株の普通株を7億3850万ドル(約1046億円)で引き受けるとともに、既存の株主が保有する4014万株の普通株を買い取る計画だ。

蔚来汽車の李斌CEOのミニブログでも、今回の件について触れられていた(写真:編集部撮影)

CYVNは経営権の過半をアブダビ政府が保有し、先進的なスマート・モビリティ分野に重点的に投資している。一連の取引が完了すると、蔚来汽車に対する出資比率は約7%となり、董事会(取締役会に相当)に取締役1名を派遣する権利も得る。

共同で海外市場を開拓

蔚来汽車とCYVNは、蔚来汽車の海外市場開拓を両社が共同で推進することにも合意した。「戦略投資家の資本参加により、わが社の財務体質はいっそう強化された。事業拡大や技術革新、長期的な競争力強化などの推進力が得られた」。蔚来汽車の李斌CEO(最高経営責任者)は、CYVNの出資の意義をそう強調した。

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