ユニクロ「日本式接客」は海外で定着するのか メルボルン店を取材して分かったこと

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Welcome to Uniqlo!

赤いハッピを着た店頭の従業員が挨拶すると、その声に倣って他のスタッフも”Welcome to Uniqlo!”と口々に繰り返す。

これは世界共通の接客方式だ。「どこでも変わらない、というのが我々が世界的に成功している理由」とUniqlo AustraliaのPR&イベント部長、ケイト・エヴァンス氏は説明する。「笑顔、迅速なサービス、清潔な売り場を常にキープする、質の高い日本式の接客が重要だ」(エヴァンス氏)。

 

オーストラリア一号店オープンを前に、現地で選んだ18人の店長候補(Uniqlo Manager Candidates)に5カ月間日本・シンガポールで研修を施すなどして、徹底的にユニクロの日本式接客を叩き込んだそうだ。

しかし現場では「実を言うと、時々ユニクロの接客は、ちょっと変わっている、と思うこともある」との声も聞かれた。話してくれたのは、アルバイトとしてユニクロで働く大学生のメアリーさん(仮名)だ。

「もう少しオーストラリア式の接客の仕方を取り入れてもいいと思う。例えば”Welcome to Uniqlo!”って私たちが大声で何度も言うと、居心地が悪そうな顔をしているお客さんが多いんですよ」

この、”Welcome to Uniqlo!”というフレーズ、日本語で言えば「いらっしゃいませ」に該当する。店員が「いらっしゃいませ」を繰り返すのは、ユニクロに限らず日本では珍しくない風景だ。

なぜオーストラリアの客は、「いらっしゃいませ」に居心地の悪さを感じるのか。

何度もWelcomeと言われても・・・

「だって、Welcomeって言われて、なんて返したらいいの? Well, thanksくらいしか言いようがない。それに、何度もいろいろなスタッフが言ってくるから、いちいち返事をしていると疲れちゃう」

そう答えたのは大学生のニコラさん。彼女はユニクロが入っているショッピングセンターのカフェでバイトをしており、ユニクロには何度か足を運んだという。

“Welcome”になんと返せばよいか分からない・・・この悩みは、オーストラリアと日本の接客の違いに起因するようだ。

日本の「いらっしゃいませ」はあくまで一方通行の声かけである。店員が「いらっしゃいませー!」と呼びかけるとき、彼らは客からの応答は期待していない。客側も、「はい、やって来ましたよ」と言うわけいもいかず、返す言葉はない。”Welcome to Uniqlo”も同様、客からの返答を期待しない一方的呼びかけに近い。

現地オーストラリアの小売店では、決してWelcomeとは言わない。では、どのように挨拶をするのだろうか。

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