「マイナ保険証」今あえて挙げる4つのメリット 賢く利用すれば医療費の削減などお得にも
この情報は、所得税の電子申告システム「e-Tax」に連携して確定申告書の作成に活用することができます。医療費控除に必要なデータをマイナポータルから取り込んで自動入力できるので、入力や計算の手間を大幅に削減できます。
確定申告の手続きも、e-Taxとマイナンバーカードを利用するとスマホだけで完結することができます。マイナポータルからの自動入力は医療費のほかふるさと納税や生命保険、地震保険などの情報も可能で、医療費控除以外の控除を適用するためにも使えます(事前に保険会社などとの連携手続きが別途必要です)。
年末調整のときに保険会社からの控除証明書を勤務先に提出しそびれてしまったなど、確定申告をすれば税が軽減されるにもかかわらず手続きの煩雑さからそのままになっているケースはよく見られます。マイナポータルを活用すると医療費控除に限らず、ほかの控除を含めて確定申告のハードルが下がり、税の軽減にもつながるかもしれません。
ただしマイナ保険証で取得できるのは保険がきく医療費の情報に限られます。自由診療の医療費や通院のための交通費、ドラッグストアで購入した薬などには医療費控除の対象になるものがありますが、これらの情報や金額は領収書やレシートから自分でまとめる必要があります。
ここまでマイナ保険証のメリットについて見てきました。もっとも、現状はマイナンバーカード制度全体の安全性に懸念を抱かざるをえません。紙の保険証廃止後の運用や高齢者や介護を必要とする人のマイナ保険証発行、本人確認手続きの困難さなどが問題視されており、課題は山積しています。
国は対策本部の設置など対応を進めていますが、利便性が先走って安全が損なわれれば絵に描いた餅です。安心してメリットを活用できるか、今後の動向を注視していきましょう。
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