これが究極に安全な"事故らない自転車"だ! 見た目は微妙に別の乗り物だが…

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(ナレーションは英語です。音声にご注意下さい)

英国の発明家が、自分が発明した「Babel bike(バベルバイク)」はこれまで作られた自転車の中で最も安全なものであると主張している。クリスピン・シンクレアさんは、この自転車の安全ケージや二重シートベルトなど、複数の安全対策が、自転車に乗ったことのない人を自転車に乗りたいという気持ちにさせるのではないか、と期待している。シンクレアさんは著名発明家、サー・クライブ・シンクレア氏の子息でもある。

混み合った道路がもたらす危険性が、都市に住む人々に自転車利用を思いとどまらせているのかもしれないが、英国発明家のアイデアが成功すれば、それも変わる可能性がある。

クリスピン・シンクレアさんは、独自の安全対策が数多く施された自作の「Babel bike」のことを世界一安全な自転車だと言う。「主な特徴は、シートベルトの付いた安全ケージです。幅を広くしているのでバスや大型トラックの側面に巻き込まれる心配がありません。車にはねられた場合でも、車のロールケージと同じ効果を発揮します。またサイドミラーや方向指示器、ハザードフラッシャー、大きな音を出すクラクションの開発も終盤に入っています」。

大型バスと衝突テストも

ロンドンでは、大型トラックとの衝突がサイクリストの死亡事故の主な原因となっている。自転車はトラックが曲がる際にトラック運転者の死角に入ってしまうことがあるからだ。

シンクレアさんの助手であるエステバン・ディアスさんは、「Babel」と38トンの大型バスとの衝突テストを行っている。

「大型トラックに曲がってもらって、安全フレームとどう反応するかを見てみました。安全フレームはアルミニウムとアルミ製チューブで出来ているんですが、トラックの下に入り込むことはありませんでした。自転車は必ず押しのけられるか、引き離されることすらあるんですが、自転車に乗っている人が車輪の近くという危険な位置に持っていかれることは一度もありませんでした」

安全対策にはこのほか、スチール製の足プロテクター、自動的に点滅するヘッドライトとテールライトなどが含まれているほか、クリプトナイトのU字ロックと個別のシリアルナンバーで盗難防止対策をしている。

「Babel」には2つのバージョンがある。このラフプロトタイプでも使われたペダル版と、ペダル型と電動型が一緒になったデュアル型だ。シンクレアさんは、自分が父親のサー・クライブ・シンクレア氏よりも良運に恵まれるのでは、と確信している。同氏が発明した「シンクレアC5」は、1985年に残念ながら失敗作として終わっている。

シンクレアさんはこう話す。「大きな成功になることを期待しています。現在自転車を利用している人1人につき、自転車がもっと安全なら利用してもいいと思っている人は2、3人いるはずです。自転車レーンを装備することは素晴らしいことなのですが、すべての道路に設置されるにはあと何十年もかかります。それまでは、より安全な自転車を作ることは意義があると思うのです」。

Indiegogo でクラウドソーシングのキャンペーンも始まった。シンクレアさんは、これがもし成功すれば神経質になっているサイクリストにもう一度自転車を利用してもらえるのでは、と期待を膨らませている。

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