中国の自動車輸出の拡大が止まらない。
業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)が6月8日に発表したデータによれば、2023年5月の乗用車の輸出台数は前年同月比64%増の30万2000台、1月から5月までの累計輸出台数は前年同期の約2倍の138万1000台を記録した。
また、中国海関総署(税関)が6月7日に公表したデータによれば、1月から5月までの自動車の累計輸出額は2667億8000万元(約5兆2283億円)に上り、前年同期の約2.2倍に増加した。
中国の国内市場の競争が激化するなか、自動車メーカー各社は海外市場の開拓に力を注いでいる。国有自動車最大手の上海汽車集団は1月から5月までの累計で43万8000台を輸出し、その数は前年同期比47.7%増加した。EV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)は、同じ期間に6万3800台を輸出。2022年の年間輸出台数を早くも上回った。
輸出の3割が新エネルギー車
乗聯会の分析によれば、中国の自動車輸出は乗用車、トラック、バスなどの各カテゴリーで全面的に増加している。さらに、中国メーカーが得意とする「新エネルギー車」だけではなく、従来型のエンジン車の輸出も増え続けている。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
新エネルギー車の輸出は急速に伸びているが、総輸出台数に占める比率はエンジン車よりまだ小さい。乗聯会のデータによれば、5月の新エネルギー乗用車の輸出台数は前年同月の約2.4倍の9万2000台、乗用車の総輸出台数に占める比率は30.5%だった。
中国の自動車輸出台数は2021年に初めて200万台を突破し、翌2022年には300万台を超えた。目下の勢いが続けば、2023年は400万台を超えるのではないかと期待する声が、自動車業界に広がっている。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は6月8日
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