ワーナーが「ハリポタ体験施設」に懸けた拡大戦略 「コアなファン」創出し収益拡大の切り札なるか
ハリポタビジネスはもう一段拡大できる
――スタジオツアー東京が6月16日にオープンしました。ハリー・ポッターの新施設をいま作った狙いはどこにあるのでしょうか。
スタジオツアーは、ハリー・ポッターのフランチャイズビジネスを伸ばしていくための切り札になる。
ハリー・ポッターが最初に映画になったのは2001年とずいぶん前で、それから約10年間で全8作品を作り、大きなヒットとなった。最後の映画の公開から約5年が経過した2015年に、「ファンタスティック・ビースト」というスピンオフを作った。
イギリスではハリー・ポッター作品はずっと人気だが、日本はアニメや漫画などさまざまなコンテンツがあって埋もれやすい。そして日本人は熱しやすく冷めやすいので、長い間新作が出ないと忘れてしまう。そんな中で、ファンタスティック・ビーストをヒットさせるために考えたのが(グッズなどの周辺ビジネスを含めた)「360度ビジネス」だった。
(USJの施設などで)ファンと作品のタッチポイントを増やし、さまざまな形でハリー・ポッターの世界を思い出してもらう仕組みを作った。結果的にそれらがうまくいき、ファンタスティック・ビーストは日本でアメリカに次ぐ大きな収益を上げた。
その後も丸の内のクリスマスイベントや赤坂の舞台・カフェ、ゲームを出すなど、いろんな形でビジネスを展開してきた。今回オープンしたスタジオツアーが加わることで、ハリー・ポッタービジネスがもう一段階上にいけると期待している。
――スタジオツアーの建設は、コロナの感染拡大のさなかに進められました。
コロナ期間中は、Netflixのようなサブスクリプションサービスが育ってきたこともあり、映画館離れが起きていた。そこで映画がもたらせるものは何なのかを考える機会になった。
コロナ期間に多くの人が質の高い映像・音で見ることのできる「IMAX」で映画を見るようになり、映画館ならではの体験が重視されるようになったと思う。
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