「まさにチャンミンの言うとおり。便利だけれどリスクも伴う状況ですよね! 自制する方法はあるのかしら?」
生徒たちを見渡しながら、ナ先生が目を輝かせた。
自動引き落とし、お金を貯めるいちばん簡単な方法
最初に、ギョンホがパッと手を挙げて言った。
「お小遣いをもらったら、まずは貯蓄する分を差し引いてしまわなくちゃ! 基本ですよ」
「私は毎月定期に3000円ずつ積み立てています。自動で引き落としにしているんです!」
ギュヒョンがギョンホの言葉にうなずき、さらに話を続けた。
「私はデビッドカードを使っているので、親が通帳にお小遣いを入れてくれます。もちろん好きなときに出し入れできる通帳です。最初は何日もしないうちに通帳残高がゼロになりました。何か買おうとしても残額不足で決済ができなかったんです! 月初めにじゃんじゃん使って、一週間も経たないのにお金に困ったりもしました」
「それがどうして積み立てするようになったの?」
ソナがギュヒョンに質問した。
「節約しようと決心してもうまくいかなくて。それで初めからお小遣いが入った翌日に一定額が積み立てされるように、自動引き落としにしたの。そしたらいやでも貯まるようになったんだ」
「すごいな! オデュッセウスみたいじゃん」
シヒョンが感心したようにギュヒョンを見た。
「オデュッセウス?」とギュヒョン。
「ギリシャ神話に出てくる人物だよ。美しい歌声で船員たちを海に誘い込むセイレーンの誘惑から逃れようとして、自分の体をマストにしばりつけたオデュッセウス!」
「いい方法ね。自分の手をしばるなんて!」
シヒョンの説明にソナがうなずいた。
「僕も自動引き落としで貯蓄はしてるけど、相変わらず好きなゲームにお金を使いすぎて困ってるんだ」
「じゃあ、ゲームに使うお金の上限額を決めたらどう? 自分で『1カ月1000円しかゲームに使わない』って決めるのよ」
悩むギュヒョンに、ジェヨンがアドバイスした。
「そしたら、ゲームにお金を使うたびに記録しないとダメだよね?」
「そうよ。1000円までいったら、もうゲームのアイテムは見ないことにするの! 私もそうしてる」
封筒を活用した賢明なお金の管理法
「それと、消費計画を立てるとき、項目別にお金を管理するのも役に立つと思うわ。私はお小遣いをもらうと、その月の消費項目別に封筒を作って、お金を封筒に入れておくの。おやつ代として2000円入れたら、1カ月はその範囲内でおやつを買うの。使うたびに使った額を封筒に書いて。残りがほとんどなくなったら、あまり買わなくなるし」
ジェヨンが静かに自分なりのお金の管理方法について話した。
「時計のアラームみたいな感じだな。『もう使うのはおしまい~』っていうアラーム!」
ジェジュンが言った。
「そうなのよ! 自分自身への警告。ほかの項目のお金から出して使うのは気が引けるから、それもしなくなったし」
「そうだよね。同じお金でも名前をつけておけば、ほかのことには使いづらいかもね。だけど、私みたいにカードを使ってると、なかなか思いどおりにいかないんだよね!」
ジェヨンの話に耳を傾けていたギュヒョンがこぼした。そのときソナが何か思いついたようにこう言った。
「だったら、ゲームアイテムの関係の決済は1000円までって、カードに設定しておいたらどう?」
「いいアイディアかもしれないね。最近は自分名義で発行する家族カードを使うことが多いでしょう。カードやスマホの手軽な決済で、項目別に利用額を制限できるシステムがあったらいいのにな」
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