相次ぐ震災理由の業績予想非開示、これまでに29社
東日本大震災を理由に会社予想を非開示にする会社が増えている。4月11日段階で非開示にした会社は34社。うち29社が東日本大震災を理由にしている。被災地で事業を行っていない企業の非開示も散見される。
震災から11日までの間に、四半期を含む決算発表や業績予想の修正を発表したのは延べ535社。非開示としたのは34社だから非開示比率は6.36%。同じく震災を理由とした非開示は29社だから5.42%に当たる。
震災を理由に会社予想非開示とした第1号は精養軒。決算短信で「地震の影響により、予定された宴会のキャンセルが相次いでいる。レストランの来客者数も減少している」と理由を説明している。上野動物園のパンダ公開延期も多少影響したか。
千葉市美浜区に本社を置くACCESSは「地震の発生を受けて、業務への影響範囲、取引先における業務状況、取引案件への影響範囲、為替相場等の業績への直接的、間接的影響を及ぼす外性(原文ママ。外生、のことか)的要因等を精査の上、確定次第、速やかに発表する」としている。
江東区辰巳に本社を置くアスクルは「地震の影響や修繕費用等の損害額を精査し、見通しが確定すれば速やかに開示する」。
ディスプレー企画・設計・施工・運営監理最大手の乃村工藝社は「出店およびイベント計画の延期・中止や受注規模の縮小ならびに資材価格の高騰など厳しい環境が予想される」としている。
低価格ラーメン店のハイデイ日高は、東京都主体の店舗展開で、工場も埼玉県行田市と直接の被災影響はないが、「電力供給問題による営業時間短縮や営業休止の発生、工場での稼働率低下」を理由に会社予想を非開示としている。
老舗百貨店の松屋は、銀座主体の展開で被災地に店舗はないが、「節電、計画停電による経済活動や個人消費への影響の合理的な算定が難しい」ことを会社予想非開示の根拠としている。
(山田 雄一郎=東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら