【産業天気図・鉄道/バス】天候に恵まれ鉄道等の出足順調、業界天気も『晴れ』

大手を中心とした鉄道・バス業界の現況は、営業利益ベースで見ると前期比で増・減益ほぼ半々の状況にある。しかし、数年前までのリストラ最盛期のころと違い、鉄道・バスで稼ぐ営業利益に、不動産、流通など他部門の利益をしっかり上乗せする形で、利益体質が定着してきている。そうした中、新車両導入に伴う減価償却費の増減や、減損処理の実施に対応した不動産利益の捻出など各社ごとの要因によって利益が増減する傾向も見られる。
 今期のスタートは、主力の鉄道・バス事業が総じて順調な出足。景気の回復や、ゴールデンウイークが天候に恵まれたことがプラスに働いたようだ。7期連続輸送人員の増加が続いている京王電鉄や、ドル箱の羽田空港線が依然好調な京浜急行だけでなく、横ばいを見込んだ東急電鉄も微増推移、小田急電鉄も本線、箱根地域ともプラスにある。
 ただ、その中で東武鉄道は8月24日開業のつくばエクスプレスの影響が避けられないだけに、通期ではマイナスにならざるを得ない。その他の部門も景気回復が効いて、京急の流通部門は順調、東急は愛知万博効果でホテルの出足が良いなどの動きが見られる。相模鉄道や東急、西日本鉄道を始め、総じて大手民鉄は通期利益の増額がありうる状況だ。
 リスク要因としては、バス事業での燃料軽油価格の上昇が挙げられる。特に西鉄はバス車両保有数全国一のバス会社であり、また、柱に育っている航空貨物事業でも航空燃料の値上がりに料金転嫁が追いつかない状況だけに要注意ではあるが、他の経費軽減効果もあり、軽油価格の上昇だけで利益減額に追い込まれることはないだろう。これは他の大手民鉄についても言えよう。
【中川和彦記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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