長田:はい。なかにはグループディスカッションのフォーマットで臨もうとする子もいますが、そこは、こちらが「はいはい、あなたは『正解』を言いたいんだよね。でも違うよね」と切り崩しにかかります。「標的」にする――と言ったらきついかもしれませんが、フォーマットどおりの姿勢を崩さないと有意義なインタビューになりませんから。
金間:それは他の企業でも取り入れたらいいと思いますね。ともすれば場の空気がざらついて、「ストレス、与えすぎちゃったかな」なんて心配になるかもしれませんけど、本音が出るまで根気強くやってみてほしい。ちょっと放置するくらいでもいいかもしれません。
長田:「放置」は私も最近すごく意識しています。こちらが一歩引く。口を出さないで、いったん待つ。何て言い出すのかを見る。すると「私たちがやらなくちゃ」っていう雰囲気になって、けっこう自力で議論を始めてくれます。
金間:当惑しているのを見ると、「ごめん、ちょっと難しかったかな」なんて言って、つい助け舟を出したくなってしまいますが、そこはこちらの忍耐が重要ですね。テンプレを欲しがる若者との心理戦に負けてはいけない。
長田:無言の圧力を感じても、我慢ですね。
「上司に求めること」が激変している
金間:ここで僕ら世代からすると衝撃的なデータを挙げてもいいですか。Z世代が上司に何を求めるか、その調査結果を2012年、2014年、2020年、2022年で比較したものです。かつてなく「仕事について丁寧な指導をする」という回答が多かった一方、「場合によっては叱ってくれる」「仕事の結果に対する情熱をもっている」はガクンと減っているのです。
長田:これ、衝撃的ですよね。実は弊社でも同様のアンケート調査をしたのですが、最初、私は反対だったんです。「そんなわかりきっていることを聞いてどうするの?」と思ってしまって。
金間:「尊敬できる上司」が一番に決まっているだろう、みたいな?