「人前でほめられたくない新人」をどう伸ばすか? 新たなる「没個性時代」のマネジメント論

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金間企業の方々と話していると、上司の立場にある人たちにとってZ世代は謎だらけなんだと感じます。4月に入社式があって、5、6、7月くらいまでは、新入社員に対する評価は軒並み高い。異口同音に「自分の若いころは、こんなにできなかった。今の子たちのほうがずっと優秀だ」と。でも8月くらいになると、それが変わってくるんですよ。

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長田どうなるんですか?

金間「積極性がない」「何を考えているのかわからない」という評価になっていきます。

Z世代というと、意識が高くて、行動力があって、スマホ一台で社会的意義の高い事業を興して……といったイメージで語られがちです。ただ、そういう積極的で個性的な子たちは目立つだけで、割合としては10%にも満たないでしょう。少なくとも、ざっくり半数は「目立ちたくない」「100人のうちの1人に埋もれていたい」という意識で働いていると見ていいと思います。

決して能力がないわけではない。明確に指示されたことはちゃんとできる。だけど、個性や積極性はきわめて薄い。それが僕の言う「いい子症候群」です。

モチベーションの世代間ギャップ

金間長田さん自身は「いい子症候群」的な気質ではないんですよね?

長田まったく違いますね。むしろ入社1年目のころなんかは、先輩に「どうしたら社長賞が取れますか?」「この最高位のS評価って、どうしたらもらえますか?」なんて聞いていたくらいです。今もわりとそういうマインドなので、「人前でほめられたくない」っていう若い子たちの気持ちがわからなくて……。

金間企業の中でどんどん役職が上がっていく人って、そういうタイプが多いですよね。がんばって成果が出た。ほめられてうれしかった。だからもっとがんばって、もっと成果を出して、社長賞なんかも取ったりして、組織内で偉くなっていく。ところがZ世代は、「ちょっと、そういうのはけっこうです、ごめんなさい」となってしまっていて、そこのギャップがすごく大きい。

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