F・フクヤマ、極論を排したリベラリズムの議論 『リベラリズムへの不満』書評

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『リベラリズムへの不満』フランシス・フクヤマ 著
リベラリズムへの不満(フランシス・フクヤマ 著、会田弘継 訳/新潮社/2420円/224ページ)
[著者プロフィル]Francis Fukuyama/1952年生まれ。アラン・ブルームやサミュエル・ハンチントンに師事。米スタンフォード大学シニアフェロー兼特別招聘教授。ベルリンの壁崩壊直前に発表した論文「歴史の終わり?」で注目を浴びる。主著に『歴史の終わり』『政治の起源』など。

著者は米国屈指のリベラリスト系論客だ。1989年の論文「歴史の終わり?」で一躍名を馳(は)せて以来、『歴史の終わり』『政治の起源』『政治の衰退』『アイデンティティ』などの著書がある。

ソ連崩壊とその後の世界情勢を予言した前掲論文は、耳目を集めた。一方、共産主義勢力減退後の世界を過度に楽観視しているとか、彼の師サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』のほうが9.11後の世界に合致しているなどと批判されることもあった。

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