会社員が最低限知るべき「教養アニメ」ベスト20 識者が厳選!「鬼滅」「君の名は。」だけじゃない
数土直志(すど・ただし)/ジャーナリスト。国内外のアニメについて取材・報道・執筆。2004年に情報サイト「アニメ!アニメ!」を設立した。
小新井涼(こあらい・りょう)/1989年生まれ。北海道大学大学院博士課程在籍。毎週100本以上のアニメを視聴しつつ学術的な考察・研究を行う。
町口哲生(まちぐち・てつお)/近畿大学講師で受講条件は「週20本超のアニメ視聴」。著書に『教養としての10年代アニメ』(ポプラ新書)。
2位『君の名は。』は、「新海誠監督を国民的なアニメ監督に押し上げた」(数土氏)作品であると同時に、興行収入250億円超の本作以降「アニメ映画が強くなり、想像を絶するヒットを記録する作品が増えた」(数土氏)。小新井氏も「圧倒的な映像美は今も色あせない。新海監督が世界に羽ばたくきっかけになった」とみる。
3位は『ソードアート・オンライン』。「日本のみならず海外ファンが多い、世界的なヒット作だ」(数土氏)。また、「ゲームなどの仮想世界を舞台としたアニメがジャンルとして興隆するきっかけになった重要な作品」(小新井氏)であり、「メタバースの議論でも『マトリックス』などとともに必ず言及される」(町口氏)。
4位『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では、「京都アニメーションの誇る映像美が、物語の美しさとともに遺憾なく発揮される」(小新井氏)。町口氏は「テーマはコミュニケーション不全による生きづらさと、フロイトのいう『喪の作業』の2つだ」とみる。
数土氏が「難解な世界観やテーマで人々を魅了したエヴァの完結に、1つの時代の終わりを感じた」と語るのが、5位『シン・エヴァンゲリオン劇場版』だ。「本作公開が新たな鑑賞者を生み、シリーズ完結にふさわしい盛大なムーブメントを起こした」(小新井氏)。
以降も個性的な作品が並ぶ。特徴的なのが、6位『呪術廻戦』、10位『進撃の巨人』など、少年漫画を原作とする作品のヒットだ。
劇場版にも新たな動きがある。8位『ONE PIECE FILM RED』は「大々的に起用された歌手のAdoを好きになれるかどうかで評価が決まる作品。伝統的なIPとネットカルチャーが結び付いてヒットした」(数土氏)。
"推し活"と結び付いてグッズもヒット
歌を中心に据え、「“アイドルもの”として盛り上がったアニメの走り」(小新井氏)が、19位『うたの☆プリンスさまっ♪』だ。
数土氏は「ライブイベントや“推し活”と結び付いてグッズが売れている」と指摘。本作に限らず、「ファン同士での交換を前提にランダム(開封するまで何が入っているかわからない)商品の大量購入が広がっている」という。
ヒット作ほど、画面を超えて現実社会に影響を与える。それも踏まえてアニメを鑑賞したい。
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