物流にインフラ点検、用途で違うドローンの頭脳 ACSLは顧客企業と一緒に開発の旅を楽しむ

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鷲谷:なぜ頭脳が大切かというと、物流用途のドローンと、インフラ点検をするドローンと、災害対応するドローンとでは脳の使い方が違うからです。人間でも、スポーツ選手と建設作業員とでは脳が違いますよね。

用途に合わせた頭脳を作れるところが、われわれの一番の強みです。筋肉ムキムキなボディービルダーといわれれば、まず、その脳を作って、それからボディービルダー的なドローンを作ります。すごく俊足タイプを作れといわれたらそういう脳も作れるので、速く飛ぶドローンを作れる。

井上:その蓄積は、用途とか使い道に合わせて転用が利いたり、組み合わせて価値が生まれるものなのでしょうか。

鷲谷:まさにそうです。「物流でこういう話がありましたが、インフラ点検でも役立ちますか」と尋ねると、彼らの想像している世界観の外からの提案なので「そんなやり方があるのか」という面白さが出る。そうすると、こっちのお客さまの要望にも応えられる。

顧客の懐に入り込み、選ばれ続ける

井上:ビジネスモデルについてもお聞かせください。

鷲谷:いかにお客さまをつかみ、そして離さないか。選ばれ続けることが大切なんです。

ハードウェアだけに頼ると、他社も同じようなものを作るので、最終的にコモディティー化していく。ソフトについても、今は制御の面でリードがありますけど、5年、10年すると誰かが追い付いてきてもおかしくはない。

だから最大のポイントはスイッチングコストにあります。顧客の要望を聴きながら共に歩んでいくと、自然にスイッチングコストが高まっていくものです。その自然な摂理を理解して、「ACSLのものじゃなきゃ駄目なんだ」と思ってもらう。

なので、最初にわれわれはプラットフォームと呼ばれる標準機体を作って「業務を理解させてください、実証やらせてください」「1日でも3日でもいいですから、1回でもやらせてください」とお願いしてきました。

懐に入り込めれば用途に合わせた機体ができるので、ハードもソフトもお客さま専用仕様になる。そうすると、他社のものとは仕様もユーザーインターフェイスも操作感も違うので、わざわざ乗り換えませんよね。

ACSLビジネスモデル

井上:ちなみに懐に入り込むときの極意のようなものはあるのでしょうか。

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