日銀の植田新総裁は、過去の金融政策を検証する方針だ。不利な情報も含め真正面から検証できるか。

日銀の植田新体制が4月9日に始動。戦後初の学者出身総裁として舵取りが注目される
ペンタゴン・ペーパーズ事件は米国の戦後史に残る。
ベトナム戦争関連の機密文書が固まりで米ニューヨーク・タイムズ紙などに持ち込まれ、ニクソン政権が発行差し止めを求めて大騒ぎになった。最終的に連邦最高裁判所が米紙側勝訴の判決を言い渡して決着するが、そもそもマル秘情報満載の数千ページに上る文書はなぜ作られたのか。
作成を指示した当時の国防長官、ロバート・マクナマラ氏は自著の中でこう語っている。
「戦争が期待どおりに進んでいないので、将来の学者たちはきっとその理由を研究したがるだろう。(中略)将来似たような失敗が起きるのを防ぐため、われわれはこうした研究をしやすくするよう努力すべきだ、と私は考えました」(『マクナマラ回顧録』から)
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