「銀座・強盗事件」少年が無謀な犯行に及んだ背景 専門家「昨年から続く一連の事件と同じ構図」
あまりに素人な実行犯たち
不気味な白い仮面をつけた男たちがバールのようなもので陳列ガラスを次々とたたき割り、高級腕時計をわしづかみにして袋に詰めていく――。SNSには、犯行のまさにその瞬間を映した動画が投稿されている。
事件は5月8日の夕方、午後6時をしばらく過ぎたころに起こった。仮面をつけた男たち3人がロレックスを専門に扱う銀座の高級時計店に侵入。店員に刃物を突き付け脅したうえで、店に陳列してあった高級腕時計100点以上(被害総額は少なくとも1億円以上)を強奪した。
店内を散々荒らした仮面姿の男たち。床に落ちた腕時計も黒いバッグに詰めて、店の外へ駆け出す。3人は付近に停めてあった車に乗り込み、逃走した。動画で確認すると、急発進したワンボックスカーの後部ドアは開け放たれたままだった。
店の緊急通報システムが作動して警視庁に即時通報され、パトカーが現場に急行。対象の「大宮ナンバー」の白いワンボックスカーを程なく発見し、少なくとも4台のパトカーがワンボックスカーを追跡した。
猛スピードで逃走したワンボックスカーはその後、港区内の住宅街の路上に乗り捨てられる。車のそばには仮面が落ちており、高級腕時計30点ほどが入った袋も発見された。犯人らは近くのマンション敷地内に侵入したところを駆け付けた警察官に身柄確保され、その場で現行犯逮捕された。
逮捕されたのは、16歳から19歳の4人の少年たちだったという。
強盗の瞬間を記録したSNSの動画では、通行人はほとんどが事件に気づいておらず、立ち止まっている人は何かの撮影かと勘違いしたのか、その場で撮影し続けていた。
事件が起きた場所は、銀座のメインストリートでもある中央通りの一角。店の前はビジネスパーソンや買い物客、観光客など多くの人がつねに行き交い、車の往来もひっきりなしの、強盗を実行するにはかなり人目に付く場所だ。少年たちはなぜこれほど大胆な行動に出たのだろうか。
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