ネガティブ思考は性格ではなく、「脳疲労」だった 精神科医とうつ経験者が語る「ラクな生き方」

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ネガティブ思考が強い人は、普段から休息をとることが大切(写真:Pangaea/PIXTA)
五月病という言葉もあるように、慣れない環境での疲れやストレスが溜まってきてメンタルが崩れやすい時期です。「自分は大丈夫」と過信せず、心に負担をかけない生き方を普段から意識したいもの。
そこで、『学びを結果に変えるアウトプット大全』など多くのベストセラーをもつ精神科医の樺沢紫苑さんと、『うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと』の著者であるデラさんが、「弱い自分のままでラクに生きる方法」をテーマに対談。つい頑張りすぎてしまう現代人が注意すべきこととは?

心をラクにするパワーワード「しょうがない」

デラさん:僕は現在うつ病9年目なんですが、最初に発症したのは22歳のとき。ベンチャー企業で1日15時間働き続けた結果、半年後に足が震え出して、重力に逆らえなくなって、ハイハイでトイレに行く生活に。そこから寝たきりになり、少し回復して再就職しては再発……というのを繰り返してきました。

樺沢:いまはけっこう元気そうに見えるけど、ここまで回復するのは大変だったんですね。「頑張りすぎる自分」をやめられたきっかけは?

デラさん:諦めたことですね。週2日のバイトで再発したとき、普通の会社員より全然働いていないのにダウンした自分が許せなくて、包丁で自殺しようとしたんです。でも痛そうでどうしてもできなくて……。そのときに僕の人生は一度終わっているので、そこからはオマケみたいな感覚。「ごちゃごちゃ考えてもしょうがない」「安定収入も結婚ももういいや」「自分が楽しければなんでもいい」と諦められるようになりました。

樺沢:いま話してくれた体験談には、人生をラクに生きるための重要なポイントがありました。それは「しょうがない」と諦めること。世の中の大半の人が「諦めちゃいけない」「頑張らなきゃいけない」と思っていますが、できないことがあるのは当たり前。自分の現状や実力を受け入れることがとても大事なんです。心理学ではそれを「受容」といいます。

私のYouTubeには毎日質問が30本以上届くんですが、みなさん「話し下手を直したい」「自己肯定感が低いから高めたい」など、自分のよくない部分にばかり注目してしまう。でも、自己否定して無理をし続けると、いつか限界がきてプツンと切れます。本当はいまの自分のままでいいんです。自分を受容したうえで、「話すのが苦手だから、人に会わずにできることをネットで始めよう」というように考えることが大切です。

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