マツダ「新MX-30」ロータリーエンジン搭載の真相 EV発電用としてRE復活、EVシフトは進むのか

拡大
縮小
インテリア
MX-30 e-SKYACTIV R-EVのインテリア(筆者撮影)

今回会場には、特別仕様車「エディションR(Edition R)」の欧州仕様モデルを展示した。黒基調の内外装と、差し色としてルーフサイドへマローンルージュメタリックを採用。マツダ初の乗用車「R360クーペ」のルーフ色を復刻したカラーだ。また、フロアマットやシートのヘッドレストには、ローターの形状を模したバッジやエンボス加工などの専用デザインを施している。

欧州仕様のスペックを確認

エンジンルーム
展示車両のエンジンルーム(筆者撮影)

国内仕様車の詳細なスペックは未発表なため、欧州仕様車を例に特徴を紹介しよう。まず、ボディサイズは、全長4395mm×全幅1795mm×全高1555mm、ホイールベース2655mm。欧州仕様のBEVモデルと同寸だ。また、現行の国内仕様2モデルと比べても全長や全幅、ホイールベースは同じ。ただし、全高については、国内のBEV車が1565mm、マイルドハイブリッド車が1550mmだから、PHEVモデルの欧州仕様車とは若干異なっている。

パワートレイン単体の模型
展示されていたパワートレイン単体の模型(筆者撮影)

搭載するパワートレインは、排気量830ccのロータリーエンジン、ジェネレーター(発電用モーター)、駆動用モーターを一軸で繋げた一体型ユニットだ。中心部にあるジェネレーターと、エンジンの反対側に位置する駆動用モーターの上には、システムを制御するPCM(パワートレイン・コントロール・モジュール)も配置されている。

発電機としての役割を担うワンローター(ローター1基)方式のエンジンは、非常にコンパクトながら、最高出力55kW(74.8ps)という高出力を発揮。まさにロータリーエンジンの特性を活かした発電機だといえる。駆動には、同じく先述のとおり、100%モーターを使う。つまり、日産の「ノート」や「セレナ」などが採用する「e-POWER」のような、シリーズハイブリッドだといえる。ロータリーエンジンは、バッテリー内の電気が不足しているときや、加速する際などに稼働し、その動力でジェネレーターを動かし発電、駆動用モーターへ電力を送る。バッテリーの充電状態が良好なときなど、ロータリーエンジンが動かないときは、駆動用モーターと軸を切り離すなどの制御をPCMが行う。

次ページ国内導入の時期は?グレードや価格はどうなる?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT