マツダ「新MX-30」ロータリーエンジン搭載の真相 EV発電用としてRE復活、EVシフトは進むのか
50年以上の歴史を誇るマツダ伝統のロータリーエンジンが帰ってくる。約11年ぶりの復活だ。といってもパワートレインではなく、マツダが新しく開発したPHEV(プラグインハイブリッド)車に搭載する駆動用モーターの発電機としての復活で、2023年1月に欧州で発表された新型コンパクトSUV「MX-30 e-SKYACTIV R-EV(エムエックス サーティー イースカイアクティブ アールイーブイ)」に採用される。
軽量・コンパクトで高出力ということで、1967年登場の「コスモスポーツ」以来、歴代マツダ製スポーツカーの多くに搭載されてきたロータリーエンジン。いずれのモデルも、高性能で軽快な走りを楽しめることで、今でも世界中に多くのファンを持つ。だが、近年きびしくなる一方の排出ガス規制への対応がむずかしく、一般ユーザーが購入できるモデルとしては、2012年に生産終了した「RX-8」が最後のロータリーエンジン車だった。その後も復活を望むファンの声は多かったが、なかなか実現せずに長い月日が経つ。それが突如、PHEV用の発電機というカタチではあるが、復活するとあって大きな話題を呼んでいる。
そんなMX-30 e-SKYACTIV R-EVの実車が、カーイベント「オートモビル カウンシル(2023年4月14~16日・幕張メッセ)」で国内初披露された。ブースには、車両のほかに、小型のロータリーエンジンとモーターなどを組み合わせたパワートレインの模型も展示されたので、そのシステムも含め、現時点でわかっている新型モデルの概要を紹介しよう。
ロータリーエンジンの特徴と歴史
ロータリーエンジンとは、三角形のローター(回転子)を回転させることで動力を発生させる、独自の構造を持つガソリンエンジンだ。英語「ROTARY ENGINE」の頭文字を取って「RE」とも略される。マツダでは、前述のとおり、1967年に発売したスポーツモデルのコスモスポーツで、ロータリーエンジンの実用化にはじめて成功した。それから後継のコスモ・シリーズをはじめ、1978年に初代「サバンナRX-7」が登場したRX-7シリーズ(3代目のFD型は2002年まで生産)や、2003年に発売したRX-8など、数多くのスポーツモデルに搭載されている。
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