新幹線「新横浜駅」時刻表が物語る地位向上の歴史 開業以来の「停車本数」変遷を調査してわかった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そんな名古屋、京都通過の「のぞみ301号」が運転されている時期、1994年の時刻表を見ると、新横浜に停車する「ひかり号」の停車本数は据え置き。代わりに新横浜を通過して静岡や浜松などに停車する「ひかり号」を増発したため、停車率は下がっていた。

「鉄道最前線」の記事はツイッターでも配信中!最新情報から最近の話題に関連した記事まで紹介します。フォローはこちらから

700系が登場し「のぞみ号」が増発された1999年。新横浜に停車する「ひかり号」「のぞみ号」は再び増加し、停車率が再び60%を超えた。品川駅が開業し東海道新幹線が「のぞみ号」主体となった時期、2004年の時刻表を見ると新横浜の停車本数は102本。停車率は82.26%に。品川の停車本数が91本、停車率が72.80%なので、東海道新幹線を運行するJR東海としては「都内の品川より新横浜のほうが主要」と判断した格好だ。ちなみにこの時期、新横浜を通過する列車の大半が、静岡や浜松などの静岡県内に停車する「ひかり号」で、新横浜は「のぞみ号」はたくさん停車するが、「ひかり号」の半分は通過するという、「のぞみ号」と「ひかり号」の関係が逆転する現象が起こっていた。

2009年以降の停車率は100%

2009年以降の時刻表を見ると、「のぞみ号」の停車駅は東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪に統一され、停車率は100%に。列車の本数も2009年までは140本台とほぼ横ばいとなった。

1987年にJRが誕生してから2009年にかけ、停車率、停車本数をグッと増やしていった新横浜。ここ15年ほどは運行本数がほぼ変わらないが、新横浜始発の「のぞみ号」の利用者数や、2025年の大阪・関西万博の開催で大きく変化する可能性がある。さらにリニア中央新幹線の開業でどのように変わっていくのか。時刻表好きの私にとって、新横浜に停車する新幹線の本数はしばらくの間目が離せない案件となっている。

渡辺 雅史 時刻表探検家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わたなべ まさし / Masashi Watanabe

1975年生まれ。フリーライターとして、週刊誌や月刊誌で記事を執筆するほか、テレビやラジオ番組の構成にも携わる。2009年、国内の鉄道に完乗。時刻表の誌面に載っている"変な列車"や"味のある列車"を探すことをライフワークとしている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事