量産を外部の会社に任せられればいいのですが、新素材だとそうもいかない。ある程度の量、ワンロット100キロぐらいつくるまでは社内で生産技術を確立して、特許やノウハウを押さえておく必要がある。知財化できれば将来的に大企業からライセンスフィーとしてもらえる可能性も高くなります。
あと、やっぱり多孔性配位高分子を専業で行っているスタートアップっていうのが、アジア圏では非常に少ない。「Atomisに聞けば何とかなる」っていうところまでは持っていけたらいいなと思ってます。
リスクヘッジしながら、ゆっくり浸透する
井上:VCは嫌がらないですか。
浅利:よくVCからは「1本に絞れ」と言われます(笑)。ただ僕は、素材ベンチャーは絞らないほうがいいと思っています。素材ベンチャーは資金調達が難しい。また、早く大きなお金を入れたからといって急速に伸びるわけでもない。市場にゆっくり浸透していく。
素材ベンチャーはリスクヘッジが重要ですし、うまくポートフォリオを組むほうがいい。だから僕たちは、この状況を理解してくれるVCから資金を調達してきました。大企業のCVCには理解していただきやすいのですが、プライベートVCからの理解を得るのは難しかったというのが正直なところです。
井上:伺っているとまさに車の両輪です。業界の常識を覆すようなビジネスモデルを応援しています。
経営学者・井上達彦の眼
「起業家の語るストーリーが、潜在的なステークホルダーの期待、関心、議題と共鳴するものでなければ、新しい事業を正当化するアイデンティティーを構築することはできない」
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