ノーベル賞級の素材容器で起こすガスの流通革命 素材ベンチャーAtomisが古い業界に参入する訳

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

井上:世界展開についてはどうお考えですか。

浅利:今、インドネシアで実証実験を行おうとしています。

インドネシアって島国で、しかもとても広いので、ガス配管が整備されていません。そのためLPガスをメインに利用しています。しかも、インドネシアは天然ガス産出国なので、メタンガスが出ている。また1次産業が盛んでバイオマス由来のメタンガスも豊富です。

昨今のエネルギー情勢からインドネシア政府も自国エネルギー利用を進めようとしており、かなり興味を持っていただいています。

東南アジアの他の国でも、メタンガスをなるべく排出しないようにして、エネルギーとして使いたいんです。

井上:いくつかの顔を持ったビジネスモデルですね。素材、運送、エネルギー、多面的な特徴がうまく統合されています。

環境エネルギー事業だけでなく、マテリアル事業も行っていますね。

VCに反して進める二本立て

浅利:素材ベンチャーが一番難しいのは、お金がどんどん稼げるようになる基盤の部分。損益分岐点を超えると素材ベンチャーは楽になるので、そこまではマテリアル事業にも注力していくつもりです。

ですので当社は、マテリアル事業とインパクト事業(環境・エネルギー事業)の二本立てです。

ベースで売り上げを支えているのが、マテリアル事業です。大企業から、設計とか評価、製造の依頼が来る。うまく進めば資本業務提携に発展して資金が集められる。

実際、そこで声をかけていただいた企業さんから投資を受けて工場・研究所を建設することができました。それをインパクト事業にあてて、将来自分たちの軸になる技術を開発していく。

CubiTanの中に入れる多孔性配位高分子の素材を安く製造するにも、結局のところ量産化しないと駄目で、そのためにも工場の設置が不可欠なんです。

次ページベンチャーだからこそ工場は自前
関連記事
トピックボードAD